第四十六花「夏の開発合宿、はじまりの一歩」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 夏休み・部室
「よし!」
私は勢いよく机を叩いた。
「今日はちゃんと開発する日です!」
「“ちゃんと”ってことは、今までは違ったのかしら?」
芽草ちゃんがじっと見る。
「うっ……気分転換も大事だったから……!」
「まあ、否定はしないわ」
「準備は整っています」
睡蓮さんがノートパソコンを開く。
画面にはすでにプログラムの画面が並んでいた。
「……やる」
翔ちゃんはペンを手に取り、スケッチブックを開く。
「音、考えてきました」
菫ちゃんは小さな機材をテーブルに置いた。
「テスト環境、用意してあります……!」
リリィちゃんもノートを広げている。
◆
「なんか……」
私は周りを見渡す。
「本格的だね……!」
「当たり前でしょ」
芽草ちゃんが少しだけ笑う。
「私たち、“作る側”なんだから」
その言葉に、胸が少しだけ高鳴った。
◆ シナリオ会議
「今回のテーマ、どうする?」
私はノートを開く。
「夏、を活かしたいわね」
「夏かぁ……」
「……海」
翔ちゃんがぽつり。
「いいですね……!」
「音的にも広がりが出ます」
「では、“夏の物語”を軸に」
睡蓮さんがまとめる。
「主人公は?」
「前向きな子がいいな!」
「成長要素を入れたいわね」
ペンが止まらない。
アイデアがどんどん形になっていく。
◆
「ラフ、できた」
翔ちゃんが紙を見せる。
「わぁ……!」
そこには、海辺に立つ少女の姿。
風に揺れる髪。
遠くを見る目。
「すごい……もうイメージできる……!」
「雰囲気、いいですね」
「音、合わせてみたい」
菫ちゃんが軽く音を鳴らす。
やさしくて、少し切ないメロディ。
「……合う」
「ぴったり……!」
◆ プログラム
「仮の画面を作りました」
睡蓮さんが画面を見せる。
「もう!?」
「基本構造だけですが」
「十分すごいよ!?」
「テスト、開始してもいいですか……?」
「お願いします」
◆ デバッグ
「ここ、少し動きが変です……」
「修正します」
「この選択肢、分かりづらいかも」
「じゃあ文章変えよう!」
少しずつ、
少しずつ、
ゲームが“形”になっていく。
◆ 夕方
「……ふぅ」
私は背もたれに体を預けた。
「なんか、すごいね」
「ええ」
芽草ちゃんが頷く。
「ちゃんと“作品”になってきてる」
「……楽しい」
「はい……!」
「もっと作りたい」
「効率も良好です」
みんなの表情が、少しずつ変わっている。
遊びじゃない。
でも、楽しい。
◆
「ねぇ」
私は小さく言う。
「これ、完成させようね」
少しだけ静かになって、
「……当然」
「ええ」
「はい!」
「うん」
「やりましょう」
全員の声が重なる。
◆
夏は長い。
でも、
きっとあっという間。
だから――
この時間を、
全部使って。
「最高のゲーム、作ろう!」
――開発は、まだ始まったばかり。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




