第四十四花「テストのあとに、夏の足音」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
◆ 放課後・部室棟 ゲーム開発部
「……終わったね」
私は椅子に座りながら、ぽつりと呟いた。
「ええ、ようやくね」
芽草ちゃんが軽く息をつく。
「……解放」
翔ちゃんは机に突っ伏しながら、小さくそう言った。
「本当に、お疲れ様です……」
リリィちゃんがお茶を配ってくれる。
部室の空気は、どこかゆるくて。
テスト前のピリピリした感じは、もうどこにもなかった。
「こうしてるとさ」
私は天井を見上げながら言う。
「やっと終わったんだなーって実感する」
「そうね」
「……長かった」
「でも、みんなで頑張ったの、良かったです」
◆
「遅くなりました」
そのとき、扉が開く。
星咲 睡蓮さんと花森 菫ちゃんが部室に入ってきた。
「お疲れ様!」
「二人ともどうだった?」
「問題ありません」
睡蓮さんはいつも通り落ち着いている。
「私はちょっと楽しかったかな」
菫ちゃんが柔らかく笑う。
「やっぱりすごいなぁ……」
◆
「さて」
芽草ちゃんが軽く手を叩く。
「テストも終わったし、これからどうするかよ」
「ゲーム作る!」
私は即答した。
「即答ね……」
「だって、やっと時間できたし!」
「……賛成」
「私もです」
「新しい曲、作りたいな」
「システム面も改良できますね」
全員の意見が自然と揃う。
◆
「でもさ」
私は少し考えてから言う。
「その前に――」
「?」
「ちょっと休みたいかも!」
一瞬の沈黙。
そして――
「……それも大事ね」
芽草ちゃんが小さく笑う。
「……同意」
「はい……!」
「リフレッシュも必要だね」
「効率にも関わりますし」
◆
そのとき。
ガラッ――
「みんな、お疲れ様」
風信子 桃花先生が部室に入ってきた。
「先生!」
「テスト、どうだった?」
「たぶん大丈夫です!」
「ふふ、それはよかった」
先生は少しだけ微笑んでから――
「それと」
「?」
「もうすぐよ」
「……?」
「夏休み」
一瞬、時間が止まった気がした。
「……あ」
「そっか……!」
「……夏」
「夏休み……!」
「色々できますね」
「イベントもできそう」
一気に空気が変わる。
◆
「ゲーム開発もいいけど」
先生が続ける。
「せっかくの夏休みなんだから」
「思い出、作りなさいね」
その言葉に、
みんなの目が少し輝いた。
◆
「夏休みかぁ……」
私は窓の外を見る。
空は少しずつ夏の色に変わってきていた。
ゲームも作りたい。
遊びにも行きたい。
みんなと、もっといろんなことをしたい。
「……楽しみ!」
自然と笑顔になる。
◆
「じゃあ決まりね」
芽草ちゃんが言う。
「夏休みは――」
「ゲーム開発+思い出作り!」
「欲張りだね!」
「……いい」
「賛成です!」
「楽しそう」
「効率よく進めましょう」
部室に、明るい笑い声が広がった。
◆
こうして、
私たちのテストは終わって――
次に始まるのは、
夏休み。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




