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Bloom Code ―太陽女学院ゲーム開発部―  作者: れんP
一学期編

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第三十八花「終わらない夏のプロトタイプ」



 


私は染井 芳乃(ソメイヨシノ)

城津 芽草(シロツメクサ)ちゃんと星咲 睡蓮(ホシザキスイレン)さんと糸刃 翔(イトバ ショウ)ちゃんと花森 菫(ハナモリ すみれ)ちゃんと顧問の風信子 桃花(ヒヤシンス ももか)先生と黒百合 リリィ(クロユリ りりぃ)ちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!


 


 


◆ 7月・太陽女学院 ゲーム開発部部室(放課後)


 


「よし、それじゃあ――」


 


私はホワイトボードの前に立つ。


 


 


「短編ゲーム制作、スタートです!」


 


 


「おー」


 


 


「……静か」


 


 


「いやいや翔ちゃんテンション低いよ!?」


 


 


「……いつも通り」


 


 


「ふふっ、でもやる気はあるわよね?」


 


 


「……ある」


 


 


 



 


 


ホワイトボードには大きく書かれている。


 


 


【テーマ:終わらない夏】


 


 


 


「まずは世界観の整理からですね」


 


 


睡蓮さんが冷静に言う。


 


 


「時間ループ系にするか、それとも象徴的な表現にするか」


 


 


「ループ……いいね」


 


 


「でも、ちょっと王道すぎるかも?」


 


 


芽草ちゃんが腕を組む。


 


 


「“終わらない”理由に独自性が欲しいわね」


 


 


「例えば……」


 


 


私は考えながら言う。


 


 


「誰かの願いで止まってる、とか?」


 


 


「……いい」


 


 


翔ちゃんが短く頷く。


 


 


 


「切ない系ですね……!」


 


 


菫ちゃんの目がきらきらする。


 


 


 


「感情表現とも相性がいいです」


 


 


リリィちゃんがメモを取りながら言う。


 


 


 



 


 


「じゃあ主人公は?」


 


 


「普通の学生……?」


 


 


「それとも外部から来た存在?」


 


 


「……観測者」


 


 


 


「おっ、翔ちゃんナイス」


 


 


「世界に干渉できるけど、完全には救えない立場……とか?」


 


 


 


「それ、すごくいいです……!」


 


 


 


「エンディング分岐も作れますね」


 


 


 


睡蓮さんがすぐに設計を組み始める。


 


 


 



 


 


「じゃあ役割確認しよ!」


 


 


 


「シナリオは私と芽草ちゃんで!」


 


 


 


「えぇ、構成は任せて」


 


 


 


「プログラムは私が担当します」


 


 


 


「……イラスト、やる」


 


 


 


「音楽は……がんばります……!」


 


 


 


「私は全体補助とテスト……!」


 


 


 


「完璧ね」


 


 


 


桃花先生が満足そうに頷く。


 


 


 


◆ 作業開始


 


 


カタカタカタ……


 


 


ペンが走る音。


 


 


キーボードの音。


 


 


 


部室の空気が一気に“制作モード”になる。


 


 


 


「……このシーン、もう少し感情を強くしたい」


 


 


 


「じゃあ選択肢で分岐させる?」


 


 


 


「いいわね」


 


 


 


「ここで音、静かに入れます……」


 


 


 


「……夕焼け、描く」


 


 


 


「デバッグ、今のうちにやっておきます……!」


 


 


 


 


全員が、同じ方向を向いている。


 


 


 


◆ しばらく後


 


 


「……できた」


 


 


 


「え!?」


 


 


 


「ラフだけど、主要キャラ」


 


 


 


翔ちゃんが見せてくれたイラスト。


 


 


 


夕焼けの中に立つ少女。


 


 


どこか寂しそうで、


 


でも――


 


 


優しい表情。


 


 


 


「……すごい」


 


 


 


「この子が、“夏を止めてる存在”……」


 


 


 


「……うん」


 


 


 


 


一気に世界が見えた気がした。


 


 


 



 


 


「この子を救うか、救わないか」


 


 


 


「それが選択になるのね」


 


 


 


「……どっちも正解で、どっちも不正解」


 


 


 


「うわぁ……好き……!」


 


 


 


 


◆ 夕方


 


 


「今日はここまでにしましょうか」


 


 


 


「はーい!」


 


 


 


「……いい感じ」


 


 


 


「進みましたね……!」


 


 


 


「このペースなら、短期間で完成できます」


 


 


 


 



 


 


帰る準備をしながら――


 


 


私はふと窓の外を見る。


 


 


 


まだ明るい空。


 


 


 


「ほんとに夏って感じだね」


 


 


 


「えぇ」


 


 


 


「終わらない夏、か……」


 


 


 


「……でも」


 


 


 


芽草ちゃんが言う。


 


 


 


「私たちの夏は、ちゃんと進んでる」


 


 


 


「……うん!」


 


 


 


 



 


 


新しいゲーム。


 


 


新しい挑戦。


 


 


 


そして――


 


 


 


次は。


 


 


 


「……あ、そういえば」


 


 


 


「なに?」


 


 


 


「明日からプール授業だよ?」


 


 


 


 


「……え?」


 


 


 


「えぇ!?」


 


 


 


「水着……!」


 


 


 


「……泳げない」


 


 


 


「が、がんばります……!」


 


 


 


「ふふっ、夏らしくなってきたわね」


 


 


 


 



 


 


開発も、日常も。


 


 


 


どっちも全力で!

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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