第三十六花「新芽クリエイターズコンテスト・後編」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
◆ 表彰式会場・開始直前
「……まだかな」
「桃花先生……」
「仕事、忙しいって言ってたしね」
「でも……来てほしい」
「……うん」
私たちは入口の方を何度も見てしまう。
その時――
「はぁ……はぁ……!」
「……え?」
振り向くと――
「間に合ったぁぁぁ……!!」
「桃花先生!?」
風信子 桃花先生が、
息を切らしながら走ってきた。
「ごめんねみんな……!学校の仕事が長引いちゃって……!」
「大丈夫ですか!?」
「だいじょぶ……!ちゃんと来たから!」
先生は少し乱れた髪を整えて、
私たちを見て笑った。
「大事なところ、見逃すわけないでしょ?」
「先生……!」
胸の奥が、じんわり温かくなる。
「結果、楽しみにしてるわよ」
「はい!」
◆ 表彰式開始
「これより、新芽クリエイターズコンテストの表彰式を開始いたします」
会場が静まり返る。
「まずは、特別賞の発表です――」
一つ、また一つと名前が呼ばれていく。
「……」
まだ、呼ばれない。
「次に、優秀賞――」
呼ばれない。
心臓が、どんどん早くなる。
「そして――準優勝」
一瞬、世界が止まった気がした。
「太陽女学院 ゲーム開発部」
「――え?」
「……っ!」
「やった……!」
「……準優勝」
「す、すごいです……!」
「……やった」
「みんな……!」
私は思わず立ち上がる。
「おめでとう!!」
桃花先生が一番に拍手してくれた。
◆ ステージ上
ライトがまぶしい。
壇上に上がる私たち。
「準優勝、おめでとうございます」
賞状を受け取る。
その重みが――
現実だって教えてくる。
「ありがとうございます!」
声が少し震えた。
でも――
ちゃんと言えた。
◆
席に戻る途中、
私はちらっとステージを見る。
「それでは、優勝の発表です」
会場が再び静まり返る。
「優勝は――」
「月下学院 ゲーム制作チーム」
拍手が響く。
隣町の学校。
堂々とした雰囲気のチームがステージに上がる。
「……すごいね」
「えぇ」
「でも――」
「うん」
「次は、私たちが」
芽草ちゃんが静かに言う。
「……勝つ」
翔ちゃんも短く。
「はい……!」
「がんばります……!」
◆ 表彰式終了後
「おめでとう、みんな」
桃花先生が優しく言う。
「準優勝よ?すごいことなんだから」
「……はい!」
「でも……」
「悔しい?」
「……少し」
正直な気持ち。
「それでいいのよ」
先生は微笑む。
「その悔しさが、次につながるから」
「……はい」
◆ 会場の外
外に出ると、
空はすっかり晴れていた。
「終わったね」
「えぇ」
「……でも」
「終わりじゃない」
私は空を見上げる。
「ここからだよ」
準優勝。
それは――
「まだ、途中」ってこと。
「次は優勝、目指そう!」
「もちろん」
「……うん」
「はい……!」
「がんばります……!」
◆
私たちの物語は――
まだ、続く。
次の目標へ。
次の“開花”へ。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




