第三十四花「雨上がりの道、つぼみを抱えて」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
6月――大会まで、あと少し。
◆ 太陽女学院・校門前
「おはよー!」
私はいつもより少し早く学校に着いた。
空は――少し曇り。
でも、昨日みたいな雨じゃない。
「おはよう、芳乃ちゃん」
「あ、芽草ちゃん!」
「今日も早いのね」
「なんか落ち着かなくて……」
「ふふっ、わかるわ」
芽草ちゃんが優しく笑う。
「大会が近いものね」
「うん……」
胸の奥が、少しだけぎゅっとなる。
◆ 教室
「おはようございます」
「睡蓮さん!」
「昨日の最終調整、終わりました」
「えっ、もう!?」
「はい。あとは微調整のみです」
「さすが……!」
「……おはよ」
「翔ちゃんもおはよー!」
「……眠い」
「大丈夫!?」
「……描いてた」
「もしかして追加イラスト?」
「……うん」
「すご……」
「お、おはようございます……!」
「菫ちゃん!」
「その……音、少し直してて……」
「みんな徹夜気味じゃん!?」
「わ、私も……おはようございます……!」
「リリィちゃん!」
「最終チェック……してました……」
「もうプロじゃんみんな……!」
◆
授業中も――
正直、あんまり頭に入ってこなかった。
ノートは取ってるけど、
頭の中は全部――
「大会」のこと。
◆ 昼休み・屋上
「はぁ……」
私は空を見上げる。
「緊張してる?」
「うん……めっちゃ」
「でも、それは悪いことじゃないわ」
芽草ちゃんが言う。
「それだけ本気ってことだもの」
「……そっか」
「私たち、ちゃんとやってきた」
「だから大丈夫」
「うん!」
◆ 放課後・部室
「最終確認、いきましょう」
睡蓮さんがパソコンを開く。
「起動チェック」
「ロード時間」
「分岐確認」
「音ズレ」
「……異常なし」
リリィちゃんが小さく報告する。
「完璧だね……」
「えぇ」
「……いける」
◆
「明日、だね」
私がぽつりと呟く。
「えぇ」
「大会……」
少しの沈黙。
「勝ちたいです……!」
菫ちゃんが言う。
「……うん」
「勝つ」
翔ちゃんも短く。
「全力を尽くしましょう」
睡蓮さんも静かに。
「もちろんよ」
芽草ちゃんが微笑む。
「……はい!」
リリィちゃんも頷く。
◆ 翌日・大会当日 朝
「よし……!」
私は自分の頬を軽く叩く。
「いくよ、Bloom Code!」
◆ 校門前集合
「みんな揃ったわね」
「行きましょう」
「……行く」
「がんばります……!」
「わ、私も……!」
「おー!!」
◆ 移動中(電車)
ガタンゴトン……
電車に揺られながら、
私たちはそれぞれ静かだった。
外の景色が流れていく。
「……ねぇ」
「なに?」
「終わったらさ――」
「うん?」
「打ち上げ、しよ!」
「ふふっ、いいわね」
「賛成です」
「……焼肉」
「えっ!?」
「……冗談」
「びっくりした……!」
少しだけ、笑いが戻る。
◆
電車を降りて、
少し歩いて。
見えてきた――
◆ 大会会場前
大きな建物。
人、人、人。
「……ここが」
「えぇ」
「“新芽クリエイターズコンテスト”」
私は、ぎゅっと拳を握る。
ここで――
私たちのすべてが試される。
「行こう」
「うん!」
「えぇ」
「……行く」
「はい……!」
「が、がんばります……!」
◆
一歩、踏み出す。
それは――
ただの一歩じゃない。
ここまでの全部を乗せた、一歩。
◆
私たちは今――
大会の舞台へと、足を踏み入れる。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




