第三十三花「雨音に綴る、私たちの設計図」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
6月になり、何日か経過しました。
◆
ザァァァァァ……
雨が強く、窓を叩いている。
「....」
「あら、やっぱりしおれてる」
「芽草ちゃん、雨の日はみんなこうだよ」
「ふふっ、でも、緑人にとって、水は大事よ」
「それに、20日の大会『新芽クリエイターズコンテスト』はもうちょっと先で」
「緊張してるの?」
「うん....」
◆ 太陽女学院・部室棟・ゲーム開発部部室
「おはよー...あれ?何してるの?」
「いえ、ゲームの詳細をまとめていたんです。こうしたほうが、発表する時、迷わないので」
「他のみんなは来ていないのね」
「えぇ、この天気ですから、今日は私たち3人だけのようです」
ザァァァァァ……
外の雨音が、部室の中に静かに響く。
◆
「ちょうどいいです」
睡蓮さんがノートパソコンをこちらに向ける。
「“Bloom Code”の最終仕様を、改めて整理しておきましょう」
「うん!」
私は椅子に座り直す。
芽草ちゃんも静かに頷いた。
◆ 「Bloom Code」詳細
「まず、ゲーム概要です」
「本作は、“花を育てることでプレイヤー自身の選択と向き合う”育成シミュレーションです」
「テーマは――」
「“関わり方で、未来は変わる”」
「……うん」
私は小さく頷く。
◆ 基本システム
「プレイヤーは一粒の“種”を受け取ります」
「そこから育成が始まります」
「育成方法はコマンド選択式」
・声をかける
・見守る
・励ます
・放置する
・特別な行動(イベント時)
「これらの積み重ねが、成長に影響します」
◆ 感情反映システム
「本作の核です」
「プレイヤーの選択傾向を内部で解析し、“花詞”として反映します」
「優しさ、厳しさ、無関心、挑戦……」
「そのバランスによって花の性質が変化します」
「……プレイヤー自身が、見える」
芽草ちゃんが静かに言う。
◆ 個性システム
「各種には“初期性格”が設定されています」
・寂しがり屋
・マイペース
・頑固
・素直 など
「同じ行動でも、反応が変わります」
「だから――」
「“正解”は存在しません」
「……いいね、それ」
◆ 成長段階
「成長は複数段階に分かれます」
種 → 発芽 → つぼみ → 開花 → 完成形
「見た目、音、反応、すべてが変化します」
◆ 四季イベント
「時間経過で季節が進行します」
春:開花の兆し
夏:成長と試練
秋:分岐と変化
冬:休眠と記憶
「特に冬では、これまでの選択が反映されます」
「……過去が、出る」
◆ エンディング
「複数存在します」
・満開エンド
・未完成エンド
・変異エンド
・花詞覚醒エンド
「条件により分岐」
「プレイヤーごとに違う結果になります」
◆ ビジュアル
「色・形状が動的に変化」
「プレイ内容がそのまま見た目に現れます」
◆ サウンド
「成長段階ごとに音が変化」
「穏やかさ、不安、強さ――」
「状態を音で表現」
◆
「……以上です」
睡蓮さんが静かに画面を閉じる。
◆
しばらく、雨音だけが響く。
「すごいね……」
私はぽつりと呟く。
「ここまで来たんだね、私たち」
「えぇ」
「もう、“ただのゲーム”じゃない」
芽草ちゃんが言う。
「これは、私たちの“答え”よ」
ザァァァァァ……
雨はまだ降り続いている。
でも――
その音はもう、
不安じゃなかった。
「……大会、勝ちたいね」
「えぇ」
睡蓮さんが静かに頷く。
◆
6月20日。
「新芽クリエイターズコンテスト」
その日、私たちの“花”が――
試される。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




