第三十花「完成へ咲く、私たちの“花”」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
色々あり――
最後のゴールデンウィーク!!
◆ 部室棟・ゲーム開発部部室
「……いよいよ、ですね」
芽草ちゃんが静かに言う。
「ここで全部まとめます」
睡蓮さんがパソコンを開く。
「……完成、させる」
翔ちゃんも短く言う。
「が、がんばりましょう……!」
菫ちゃんも気合い十分。
「わ、私も……!」
リリィちゃんも小さく頷く。
「よーし!」
私は机を叩く。
「最後のアイデア出し、いくよ!!」
◆
「まず、タイトル」
芽草ちゃんが言う。
「仮だった“フラワー・グロウ”ですが――」
「“Bloom Code”にしませんか」
「!」
「花(Bloom)と、選択や成長の法則(Code)」
「私たちのゲームにぴったりです」
「いい……!」
「かっこいいです……!」
「それにしよう!!」
私は即決する。
◆
「次にゲームの核」
睡蓮さんがまとめていく。
「プレイヤーは“種”を育てる」
「選択によって花が変化」
「性格・見た目・能力が分岐」
「ここに“感情反映システム”を加えます」
「リリィちゃんの案だね!」
「は、はい……!」
「プレイヤーの選択傾向を解析し、“花詞”として反映」
「例えば――」
「優しさが多ければ“癒しの花”」
「挑戦が多ければ“強さの花”」
「……復讐、とかも?」
翔ちゃんがぽつり。
一瞬、空気が揺れる。
「……えぇ。それも、ありです」
芽草ちゃんが静かに答える。
◆
「次、育成システム!」
私はノートをめくる。
「“行動選択型育成”!」
「水やりや日光だけじゃなく――」
「声をかける、見守る、励ます、放置する」
「その積み重ねで成長が変わる」
「さらに“個性パラメータ”を追加」
睡蓮さんが補足する。
「花ごとに初期性格を持たせます」
「寂しがり屋・マイペース・頑固など」
「同じ選択でも違う反応になる」
「……いい」
◆
「イベント!」
菫ちゃんが元気に言う。
「四季イベントを入れたいです!」
「春:開花」
「夏:成長と試練」
「秋:変化と選択」
「冬:休眠と記憶」
「物語性が強まりますね」
「……冬、重要」
翔ちゃんが呟く。
◆
「あと――エンディング」
芽草ちゃんが言う。
「育て方によって結末を分岐させます」
「“満開エンド”」
「“未完成エンド”」
「“変異エンド”」
「そして――」
「“花詞覚醒エンド”」
「おおお……!」
「条件を満たすと、花が特別な存在になる」
「……守護者、みたいな」
「それいい!!」
私は身を乗り出す。
◆
「ビジュアル面は」
「色変化と形状変化を段階的に」
「プレイヤーの選択履歴を“見た目”で可視化」
「……見ればわかる」
「直感的でいいですね」
◆
「音も入れたいです……!」
菫ちゃんが言う。
「成長段階で音が変わるとか……」
「いいね!癒し系サウンド!」
「……静かな音、好き」
◆
「最後に――」
芽草ちゃんが全体を見る。
「このゲームのテーマ」
少しの沈黙。
私は、ゆっくり言う。
「“育てる”って――」
「“向き合う”ことだと思う」
「花でも、人でも」
「どう接するかで、未来が変わる」
「……えぇ」
「それを、このゲームで表現する」
◆
「――完成ですね」
睡蓮さんが静かに言う。
「うん」
「ついに……!」
「……できた」
「すごいです……!」
「わ、私たちで……」
◆
私たちのアイデア。
私たちの想い。
それが――
ひとつの形になった。
ゲームの名前は、
「Bloom Code」
まだ未完成だけど、
もう“種”じゃない。
確かに芽吹いた――
私たちの作品。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




