第二十二花「放課後ゲーセンと影のささやき」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生といっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
◆ 放課後・校門前
「今日はこのあとどうする?」
部室を出て、校門をくぐったところで私が聞くと――
「……どこか寄る?」
翔ちゃんがぽつり。
「いいわね。気分転換も必要よ」
芽草ちゃんが頷く。
「では……ゲームセンターなどいかがでしょう?」
睡蓮さんが提案する。
「いいね!!行こう行こう!!」
「ふふっ、芳乃ちゃん元気ですね」
菫ちゃんがくすっと笑った。
◆ ゲームセンター
――ウィーン
ドアが開いた瞬間、音と光が一気に押し寄せてくる。
「うわぁ……すごい……!」
「久しぶりね、こういう場所」
芽草ちゃんが周囲を見渡す。
「……音、多い」
翔ちゃんは少しだけ耳を押さえる。
「大丈夫?」
「……平気」
◆
「まずはこれやろうよ!」
私が指差したのは、リズムゲーム。
「音楽ゲームですか」
「タイミングが重要ですね」
「……やる」
翔ちゃんがすっと席に座る。
――数分後。
「え、ちょっと待って!?うますぎない!?」
「……普通」
画面には高得点の文字。
「すごいです……!」
菫ちゃんが拍手する。
「反応速度が高いのね」
芽草ちゃんも感心していた。
◆
次は――
「クレーンゲームやろうよ!」
「景品は……ぬいぐるみですね」
「かわいい……」
菫ちゃんがじっと見つめる。
「任せて」
芽草ちゃんがコインを入れる。
アームがゆっくり動き――
「……惜しい」
「あとちょっとでしたね」
「もう一回!」
今度は慎重に――
ガシッ。
「取れた!」
「やったぁ!!」
「これ、菫ちゃんにあげる」
「えっ、いいんですか……?」
「うん!」
「……ありがとうございます……!」
菫ちゃんは大事そうに抱きしめた。
◆
「次は何やる?」
「対戦ゲームなどどうでしょう」
睡蓮さんが指差したのは、格闘ゲーム。
「負けないわよ」
芽草ちゃんが少しだけ笑う。
――数分後。
「……強い」
翔ちゃんがぽつり。
「ふふっ、戦略よ」
「くっ……もう一回!」
◆
気づけば――
「もうこんな時間……」
外は少し暗くなっていた。
「楽しかったね!」
「えぇ、いい気分転換になったわ」
「……また来たい」
「はい……とても」
ゲームを作る私たちが、
ゲームで遊ぶ時間。
それもまた、大事な“勉強”なのかもしれない。
◆ 帰り道
「次のゲームに、何か活かせそう?」
私が聞くと――
「そうね……」
「演出やテンポ、参考になる点は多かったです」
「……操作感」
「あと、楽しさの“直感的な部分”もですね」
「やっぱり来てよかったね!」
「えぇ」
◆
そのとき。
――風が、少しだけ冷たく吹いた気がした。
芽草ちゃんが一瞬だけ、立ち止まる。
「……どうかした?」
「……いいえ」
でもその表情は――
ほんの少しだけ、さっきまでと違って見えた。
◆ 誰かの部屋
薄暗い部屋。
カーテンは閉ざされ、外の光はほとんど入らない。
机の上には、何かの資料と――
割れた鏡。
黒髪の少女が、ぽつりと呟く。
「……私なんて」
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




