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Bloom Code ―太陽女学院ゲーム開発部―  作者: れんP
一学期編

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第十六花「開花祭前の試作ゲームテスト!」

私は染井 芳乃(ソメイヨシノ)

城津 芽草(シロツメクサ)ちゃんと星咲 睡蓮(ホシザキスイレン)さんと糸刃 翔(イトバ ショウ)ちゃんと花森 菫(ハナモリ すみれ)ちゃんと顧問の風信子 桃花(ヒヤシンス ももか)先生とゲーム開発部で頑張り中!


 


試作ゲーム――

『フルール・スピリット』は、ついに形になった。


 


でも。


 


「これで終わり……じゃないよね」


 


 


放課後の部室。


 


私の言葉に、みんなが静かに頷いた。


 


 


「えぇ。ここからが“本当の仕上げ”よ」


 


 


芽草ちゃんがはっきりと言う。


 


 


「開花祭で出す以上、“遊べる”だけじゃ足りない」


 


 


「“面白い”って思ってもらわないと」


 


 


 


「……テスト、する」


 


 


翔ちゃんがぽつり。


 


 


 


「はい。プレイテストを重ねて、改善していきましょう」


 


 


睡蓮さんがキーボードに手を置いた。


 


 


 



 


――第1回プレイテスト。


 


 


「よーし、やるよー!」


 


 


私は勢いよくスタートボタンを押す。


 


 


花が咲き、動物の精霊たちが現れる。


 


 


タップ、タップ、タップ!


 


 


コンボがつながり、スコアが増える。


 


 


BGMも心地いい。


 


 


 


「いい感じ……!」


 


 


そう思った――次の瞬間。


 


 


「あれ?」


 


 


画面の動きが、一瞬止まる。


 


 


 


「……重い?」


 


 


翔ちゃんが呟く。


 


 


 


「処理落ちですね」


 


 


睡蓮さんがすぐに分析を始める。


 


 


「エフェクトとアニメーションが同時に重なったとき、負荷が上がっています」


 


 


 


「つまり……?」


 


 


 


「最適化します」


 


 


 



 


数時間後。


 


 


「改善版です」


 


 


再びプレイ。


 


 


 


――サクサク動く!


 


 


「すごい!全然違う!」


 


 


「処理の軽量化と、エフェクトの調整を行いました」


 


 


「さすが睡蓮さん……!」


 


 


 



 


――第2回プレイテスト。


 


 


今度は芽草ちゃんがプレイする。


 


 


冷静に、正確に操作していく。


 


 


 


「……」


 


 


 


「どう?」


 


 


 


「バランスが少し甘いわね」


 


 


 


「えっ!?」


 


 


 


「コンボの倍率が高すぎる。ある程度慣れると、一気にスコアが伸びすぎるわ」


 


 


 


「たしかに……」


 


 


 


「あと、レアキャラの出現率も少し高いかもしれない」


 


 


 


「調整します」


 


 


 


睡蓮さんが即座に数値を見直す。


 


 


 



 


――第3回プレイテスト。


 


 


今度は菫ちゃん。


 


 


 


タップ音、BGM、演出。


 


 


耳を澄ませながらプレイしている。


 


 


 


「……どう?」


 


 


 


「……少しだけ」


 


 


 


「?」


 


 


 


「コンボが途切れたとき、ちょっと寂しいです」


 


 


 


「……あっ」


 


 


 


「だから……」


 


 


 


「途切れたときの音も、つけたいです」


 


 


 


「なるほど!!」


 


 


 


「落ち込む音じゃなくて……“もう一回頑張ろう”って思える音」


 


 


 


「いいアイデアだね!」


 


 


 



 


――第4回プレイテスト。


 


 


翔ちゃん。


 


 


じっと画面を見つめながら、プレイする。


 


 


 


「……」


 


 


 


「翔ちゃん?」


 


 


 


「……見えない」


 


 


 


「え?」


 


 


 


「……花と動物、重なると……わかりにくい」


 


 


 


「あ……!」


 


 


 


「色のコントラストを調整しましょう」


 


 


「あと、タップできる対象に軽く光をつけるとか」


 


 


 


「……それ、いい」


 


 


 



 


そして――


 


 


何度も、何度も。


 


 


テストして、直して、またテストして。


 


 


 



 


あるとき。


 


 


「バグ、見つけた」


 


 


翔ちゃんが言った。


 


 


 


「えっ!?」


 


 


 


「……同時にいっぱいタップすると……消えないのがある」


 


 


 


「確認します」


 


 


 


実際に試すと――


 


 


確かに、一部の動物が反応しない。


 


 


 


「入力処理の競合ですね……」


 


 


 


「難しそう……?」


 


 


 


「いえ、修正可能です」


 


 


 


睡蓮さんは落ち着いてコードを見直す。


 


 


 


数十分後――


 


 


「修正完了です」


 


 


 


「はやい!!」


 


 


 



 


さらに――


 


 


「もう一つ、提案があるわ」


 


 


芽草ちゃんが言う。


 


 


 


「“スコア表示”をもっとわかりやすくしましょう」


 


 


 


「たしかに、今はちょっと地味かも」


 


 


 


「コンボのとき、大きく表示したり、動きをつけたり」


 


 


 


「……派手にする」


 


 


 


「はい、やりましょう」


 


 


 



 


そして――


 


 


ついに。


 


 


 


「……完成です」


 


 


 


睡蓮さんが、静かに言った。


 


 


 


画面には――


 


 


やわらかな花の庭園。

動き回るかわいい精霊たち。

気持ちいいタップ音。

美しいBGM。

ちょうどいい難易度。

やりこみたくなる成長要素。

そして、ストレスのない動作。


 


 


 


私は、そっとプレイする。


 


 


 


楽しい。


 


 


ただそれだけじゃない。


 


 


「もう一回やりたい」って、自然に思える。


 


 


 


「……すごい」


 


 


 


「えぇ。これなら胸を張って出せるわ」


 


 


 


「……完成」


 


 


 


「はい……!」


 


 


 


 


「よーし!!」


 


 


私は、思いっきり手を上げた。


 


 


 


「『フルール・スピリット』――完成!!」


 


 


 


「「「「おー!!!」」」」


 


 


 


その瞬間。


 


 


今までの努力が、全部つながった気がした。


 


 


 


「開花祭、楽しみね」


 


 


先生が優しく言う。


 


 


 


「はい!」


 


 


 


私たちのゲームは、ついに完成した。


 


 


 


次はいよいよ――


 


 


開花祭、本番。


 


 


 


ゲーム開発部の挑戦は、

大きな舞台へと進んでいく――!

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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