第十一花「新人教師とゲーム開発部」
私は染井 芳乃!
ゲーム開発部で、城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんとゲームを作っています!
そして――花森 菫ちゃんが新たに加わりました!
◆
太陽女学院・校門。
「先生!おはようございます!」
「おはようございます!」
「えぇ、おはよう」
穏やかな朝の空気の中、生徒たちの元気な声が響く。
(私の名前は風信子 桃花。ここ、太陽女学院の先生……と言っても、今年入ってきたばかりの新人だけどね)
そんな中――
「先生!おはようございます!」
「おはようございます。」
「せんせ、おはようございます。」
「ん、(きれいなお辞儀をする)」
「おはよ、ございます。」
元気な声、落ち着いた声、少し控えめな声。
五人の生徒たちが並んで挨拶をしてくる。
「えぇ、おはよう。」
自然と笑みがこぼれる。
(たしかあの子達は……ゲーム開発部の……)
◆
太陽女学院・職員室。
「風信子先生、おはようございます」
「あ、矢車先生、おはようございます」
軽く頭を下げながら席につく。
「そういえば風信子先生」
矢車先生が書類を整理しながら、ふと思い出したように言った。
「ゲーム開発部って知っていますか?」
「ゲーム開発部……?」
少し考える。
「えぇ、さっき校門で見かけた生徒たちが……たしかそうだったかと」
「そうですそうです、その子たちです」
矢車先生はくすっと笑う。
「最近できたばかりの部活で、なかなか面白そうなことをやっているみたいですよ」
「へぇ……」
(ゲーム開発……)
少しだけ、興味が湧く。
「ただ――」
矢車先生が少し声のトーンを変えた。
「顧問がまだ決まっていないんですよ」
「顧問、ですか」
「えぇ。活動自体は認められているんですが、本格的な大会などに出るには顧問が必要でして」
そして――
「風信子先生、よかったら顧問、やってみませんか?」
「えっ……!?」
思わず声が出る。
「わ、私が……ですか?」
「えぇ、新人の先生ですし、生徒との距離も近いでしょう?」
「それに、ああいう“新しいことに挑戦している部活”って、見ていて楽しいですよ」
(ゲーム開発部の顧問……)
頭の中に、さっきの五人の姿が浮かぶ。
元気な子、冷静な子、上品な子、静かな子、控えめな子。
それぞれ違うけど、どこか一緒にいることが楽しそうで。
「……でも、私……ゲームのこと、あまり詳しくなくて」
少し不安を口にする。
「大丈夫ですよ」
矢車先生はあっさりと言った。
「顧問って、専門知識がすべてじゃありませんから」
「生徒たちを見守って、支えてあげること。それだけでも十分です」
「……」
少しだけ、考える。
(私に、できるかな……)
でも――
(ちょっと、見てみたいかも)
「……一度、見学に行ってもいいですか?」
「もちろんです!」
矢車先生がにっこり笑う。
「きっと、気に入りますよ」
◆
放課後。
風信子 桃花は、部室棟の前に立っていた。
「ここが……ゲーム開発部」
小さく呟く。
扉の向こうからは、楽しそうな声が聞こえてくる。
「ここ消せるよ!」
「いい連鎖ね」
「音、もう少し柔らかくする……?」
「調整できますよ」
「……いい感じ」
(……楽しそう)
少しだけ微笑んで――
「さて、と」
軽く息を整える。
コンコン。
扉をノックした。
新しい出会いが、
今、扉の向こうで待っている。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




