↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法のない普通科で。    作者: ワイ
キミの思いと桃
66/148

休め!

今日の授業終了を告げる鐘が、校舎中に高く響き渡った。

クラフト大会の作業の合間を縫って、トパーズの部屋に代わる新たな「秘密基地」候補を探し回ったものの、これといった場所は見つからず、結局どこも確保できないまま時間だけが過ぎてしまった。

行くあてのない4人は食堂に長居するしかなく、夕暮れ時のテーブルを囲んで重苦しい沈黙に包まれていた。

「……はぁ。隠れ家どころか、情報の糸口すら掴めないなんてね……」

蒼が疲れたように額を押さえ、眼鏡を外してレンズを拭く。

「どうすんだよこれ。図書館の一般蔵書は全滅だし、場所も決まらねぇし……完全に手詰まりじゃねーか」

ルビーが不機嫌そうに舌打ちをし、腕を組んで天井を仰ぐ。焦りと重苦しい空気がチーム全体に重くのしかかり、トパーズも医務官への苛立ちで眉間にシワを寄せたままだった。

その時――。

パンッ!と自分の両頬を叩いて、桃が勢いよく立ち上がった。

「仕方ないね!! 今は休めってそんなタイミングなんだよ!! 各自寮に戻って休む!!うん!全員休め!!!」

「「「……えっ!?」」」

桃の力強い宣言に、3人は思わず目を丸くして顔を見合わせた。

「どうもこうもありません! これ以上ここで頭を悩ませてても、疲れちゃうだけで良いアイデアなんて浮かばないよ! 今日はもう解散! 各自ゆっくり体を休めて、明日また出直そう!」

腰に手を当ててフンスと胸を張る桃の言葉に、蒼がフッと毒気を抜かれたように笑った。

「……ふふ、そうだね。桃の言う通りだ。焦って煮詰まっても意味がない」

「チッ……まあ、桃にそう言われちゃ断れねえな。今日はもう寝るか」

ルビーも苦笑しながら肩をすくめ、トパーズも「……まあ、あのおっさんの顔を思い浮かべてイライラするよりは、寝た方がマシですわね」とため息をついて立ち上がった。

行き詰まった焦りを桃の明るさでリセットするように、4人はそれぞれの寮へと散っていくのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。