待ってるから!
「私、お昼は自主練がありますので、皆さんと食事できませんが、それでは桃、ルビー、サファイア、また放課後、食堂のこちらの席で合流いたしましょう。それでは失礼いたします。」
トパーズがそう告げると、優雅に一礼して席を立ち、自分の教室(魔法科)へと向かっていった。
「あ、トパーズ! うん、お昼の自主練がんばってね! 放課後、ここで待ってるから!」
桃が小さく手を振りながら見送ると、隣でルビーが「へぇ、特待生様も昼休みに自主練なんてするんだな……」と感心したようにつぶやいた。
「魔法科のカリキュラムは僕たち以上に過酷だと聞くからね。実技評価ひとつで評価が大きく変わるんだろう」
サファイアはトパーズの背中を見送りながら眼鏡のフチをすっと押し上げ、手元の時間割表に視線を戻した。
「さて、僕たちもぼんやりしてはいられないよ。今日の授業は1時限目の『実用国語』から始まって、2時限目が『数学』、3時限目が『測量・幾何学』……」
「げぇっ……前半から頭使うやつばっかりじゃねぇか!」
ルビーがうめき声を上げながら頭を抱える。
抱える。
「しかも4時限目は『簿記』で、最後の5時限目は『魔力』だ。少し心配もあるが…5時限目が終わる頃には腕も頭もクタクタになっているだろうね放課後には大事な事故現場の調査が控えている」
サファイアの言葉に、桃もぐっと拳を握りしめた。
「うん! 授業はしっかりこなして居残りにならないようにして、放課後絶対にトパーズと合流しよう!」
「おう! 居残りにでもなったら調査どころじゃねぇからな。よーし、まずは1時限目気合入れて行くぞ!」
(あの日以来の魔力の授業…桃にとっては初。大丈夫だろうか…)
サファイアは1人不安を抱えていた。




