覚えてる
今でもはっきり覚えてる、1回しか遊んでないのにずっとずっとあなたを目で追っていたの
〜エピローグ〜
「桃!! 蒼!! 今!! 行って!!」
パチンッ!
——バタッと、その場に倒れ込む二人。
「っー!!! ローズ!? 桃!? どっち!? サファイア!? 蒼!?!?」
二人に駆け寄りながら、なりふり構わず声を張り上げるトパーズ。
「…………トパーズ……??」
うっすらと、目を引きあける少女。
「!? そんな……失敗……の……??」
(だって……ローズが私のことなんて知るわけない….もし私を見て声をかけてくるとしたら、向こうの世界にいる私と同じ魂の『琥珀』って呼ぶはずなのに……)
頭をよぎる強い不安。だが——。
「……トパーズ! トパーズだぁ……! 私だよ? ローズだよ? 覚えてる? 私、ずっとずっとトパーズみたいになりたくて……さすがこの学校のエースだなぁ、かっこいいなぁ……っ……」
トパーズの顔を見つめ、ローズはパッと花が咲いたような笑顔を浮かべた。そしてそのまま、安心したようにフッと静かに気を失う。スゥ……スゥ……と規則正しい寝息が聞こえ始めた。
「お父様!! ローズが……!! 目を覚まさないの!!」
慌てて駆け寄ってきたインペリアルにしがみつく。
「……大丈夫だよ。ただ気絶しているだけだ。サファイア君も気を失っているだけだね。まずはソファで休ませてあげよう」
『やったな、トパーズ』
お父様に抱きかかえられる二人を見つめながら、ルビーは「へへっ」と泣き笑いを浮かべた。
トパーズの頬を伝い落ちる雫が、寂しさの涙なのか、それとも歓喜の涙なのか——自分でも分からないまま静かに涙を拭ったのだった。
「私の重い鎖を断ち切ってくれてありがとう…トパーズ……紅子さんにも報告しないといけないな……」
(お父様が人前で泣いているのを初めて見た…)
トパーズはインペリアルの顔をしっかりと見据えて言った。
「お父様、わたしは異世界転生の被害者がもうこれ以上出ないように産業革命の遺産の人達を返してみせる!それがわたしの選択です!」
「……大きくなったなぁ…トパーズ……」
エピローグも見ていただきありがとうございます。
2人は話せずにいた時間をこれからたくさん埋めていってくれると思います。
明日も一本エピローグあげます。




