約束の日
「ねぇおとおさま?」
「なんだい?トパーズ?」
「なぜわたくしたちの事をみんな“様”と付けて呼ぶのですか?」
「それはね、私達のもっともっと前の人たちがこの国を作るのを頑張ったからだよ」
「むずかしくてよくわかりませんわ?」
ーー新月の日
応接間
「……ちゃんと見届けていただきたいんです。私たち四人の行く末と、過去の皆さんの気持ちを。——桃、やりますわよ」
「魔力感知か……。何度もやったさ。だが……この呪いは絶対に打ち破れないよ」
「違いますわ、お父様。私がやるのは、ただの魔力感知ではありません。
……死者たちの『感情』に、直接呼びかけるのですよ……!」
——ザザザザザザザッ!!
「お前、一体何を……?」
「わたしだってこの2週間ただの子供だった訳じゃないのよ…!!!わたしは……!インペリアル・トパーズは歴史を希望に書き直す!!!」
ざざざざざ―――ッと激しいノイズ音が鳴り響く。
「なっ…なんだこの魔法は、禁術!?でもない…!?魔力感知とあの禍々しい魔力へ同時に介入するのか!?そんなことしたら精神が崩壊するぞ!??!」
愛娘の無謀すぎる行いを目の当たりにし、インペリアルは青ざめた顔で絶叫した。
「相変わらず頭の固いお父様ですこと、お父様は禍々しいと言いますがわたしには可愛らしい子ですよ!!ルビー!! 行きましょう!」
「おう!」
2人で杖をぎゅっと構える。
◇
あ、ラブラブねーちゃんたちきたー!ひさしぶり! 今日新月?
「ええ、そうよ。約束の日」
「悪いけどここに、いない後ろのやつら帰すの手伝うの頼むな?」
もちろん!うちの街はぎりにんじょー??にあついからね!みんなでやるって決めたんだ!
おねーちゃんとおにーちゃんのお願い絶対叶えるよ!
おねーちゃん、他の子達のこともよろしくね!
「ええ、絶対他のみんなも帰してあげるからね」
◇
――【思いは魔力を超える】んだ。
だから、私は強く願う。
ローズがこの世界で、この仲間たちと、最高に仲良く暮らせますように。
「桃!! 蒼!! 今!! 行って!!」
みんなの邪魔にならないよう、後ろからスッと鍵の前にやってきた2人。
4人はお互いを見つめ合い、涙を流し、しかし笑顔を見せる。
もう言葉はいらない。
最後にかぎ針へと、みんなでそっと手を触れた。
◇
あれ? 帰りたいおねーちゃん? それとおにーちゃん?
「そう……同じ魂で、入れ替わっちゃったの」
わかった、約束したもんね!おねーちゃん達も帰してあげる! こっちだよ!
案内してくれる男の子の姿が、どんどん遠く、小さくなっていく……。
まるで鏡を見ているかのように、反対側から近づいてくる姿。
あ……ローズだ。
(あのね、私、あなたとたくさん話してみたいの。
話したいことが、山ほどあるの――)
お互いに、必死で手を伸ばす――。
パチンッ!
「ローズ!? 桃、どっち!?」
「サファイア!? 蒼か!?どっちなの!!?」
あ……琥珀だ……。
茜も…いる…………。
ねむい…………。




