↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法のない普通科で。    作者: ワイ
追憶と残響の桃
120/148

大人

紅子さん、私はずっと母を諦めないでいたんだ。

付き合わせてしまって本当に申し訳なかった。

でもあなたとの時間も、あなたがトパーズと過ごす時間も、私にとって宝物のようなものだった。ありがとう。

「……すまないね。みな、今日はありがとう。素晴らしいディスクオルゴールだったよ。……紅子さんに、久々に会えたみたいで嬉しかった。」

インペリアル氏は優しく愛おしそうにディスクオルゴールを撫でる。

「では、失礼するよ」

静かに頭を下げると、インペリアル氏はそのまま応接室を後にした。

バタン。

重々しい扉が閉まった、その瞬間。

「っはぁ……っ……」

張り詰めていた緊張の糸が一気に切れ、桃はその場に崩れ落ちるようにして大きく息を吐き出した。全身の力が抜け、指先がかすかに震えている。

「桃……嫌なことを言わせてしまって、すまない……」

蒼が悲しげに眉を下げ、肩を落としながら桃に寄り添った。

「ううん……ううん……! 私の、本当の気持ちだから……」

首を横に振りながら、必死に息を整える桃。

そんな2人の前で、トパーズは硬い表情のまま、閉ざされた扉を固く睨みつけていた。ギュッと握りしめた拳が、悔しさに打ち震えている。

「……大人なんて、大嫌いだわ」

トパーズの絞り出すような声が、冷えた廊下に低く響く。

「子供の心配をするフリをして……傷つくのが怖いからって、私たちの可能性に目をつぶっているだけじゃない……!」

悲痛な叫びを上げ、涙を溜めるトパーズ。

その背中に向かって、ルビーがふっと笑みを浮かべ、ぽんと優しく肩を叩いた。

「かっこよかったぜ、トパーズ」

「……え……?」

振り返ったトパーズの涙を、ルビーがそっと拭う。

「あんな凄みのあるお父様相手にさ。一歩も引かないお前、本当にカッコよかった」

応接室を出た直後


「あと、あの医務官早くクビにしてください」


「あ、あぁ…ここに鍵があるということはそうなんだろうね、支給手配するよ….」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。