もう一度会いたいな
「あの、魔法科の方ってどうやって行ったらいいのかな。もう一回、トパーズ様に会いたいな」
ポケットの中にあるハンカチをそっと確かめながら呟くと、ルビーとサファイアが顔を見合わせた。
「魔法科のエリアかぁ……あそこ、結界だか警備だかでギチギチに固められてるからなー!」
ルビーは腕を組んでうーんと唸りながらも、ニッと不敵な笑みを浮かべる。
「でもさ! オレたち『探す』って決めたんだろ? だったら乗り込むしかねぇじゃん! 壁よじ登るか、抜け道探すかだな!」
「ちょっとルビー、またそんな大雑把なことを……それに桃、トパーズ様に執着するのはもうやめた方がいい」
「……トパーズ様にちょっと失礼な態度をとっちゃったから、どうしても直接会って、ちゃんと謝りたくて……」
桃は視線を落とし、ポケットの中のハンカチをそっと指先で擦った。
(トパーズ様をを琥珀だと思い込んでしがみついていたら、琥珀にも、そしてトパーズ様にも失礼だよね)
「謝りたい、か……。なるほどね」
サファイアは桃の言葉を優しく受け止めるように頷いた。
「だったら、放課後はまず『中央図書館』に行ってみようか」
「中央図書館?」
「そう。あそこなら普通科の生徒も魔法科の生徒も両方使える、学園で数少ない共有エリアだからね。もしかしたらトパーズ様が調べ物や勉強で来ているかもしれないし……それに、魔法科エリアへの抜け道や歴史が載っている古い本が見つかるかもしれない」
「おおっ、なるほどな! 共有エリアなら警備のセンパイたちに怒られることもねぇし、一石二鳥じゃん!」
ルビーがニシシと八重歯を見せて笑い、桃の肩をぽんと叩いた。
「よし、桃、絶対トパーズ様に会ってスッキリしようぜ!」
「……うん! ルビー、サファイア、ありがとう!」
サファイアはやれやれと溜め息をつきつつも、瞳を優しく緩めて桃の方を振り返る。
「僕たちも昨日決めたんだ、桃の力になるって。……普通科の生徒が正式な許可なしで魔法科の敷地に入るのは難しいけど、図書館で学園の抜け道や古いマップを調べるか、魔法科に用事がある生徒を頼ってみるのも手かもしれない」
「よしっ! だったら今日の放課後、さっそく情報収集開始な!」
ルビーが力強く桃の背中をポンと叩き、サファイアも頼もしく頷いてくれる。
「あ、でも今日力学だぞ?ルビー大丈夫か?桃も心配だけど…」
「へぇ!?経理ナニソレ…」
「あーーー…睡眠時間みたいなもんだな」




