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この人たちの価値観 お金が全て?

 海外のハイブランドは「変な人には売りたくない」と言っている。「自分のブランドに見合った価値のある人にしか売りたくない。」と言っている。お金を持っていれば誰でも良いっていうものじゃない。上品で美しい人(心も、容姿も、身のこなしも、考え方も)に所有してほしいと思っている。お金があるからって、挨拶もせずに、店舗にズカズカ入って行って、許可を取るでもなく、勝手に商品を手に取ってもらっても困る。本当に下品。商品だって、素敵な人に持ってもらって、使ってもらいたいはず。タヌキおじさんやそのゆかいな(邪悪な?)仲間たち、猪熊さんになんかに使われたくない。そんなところに行かされたら商品も可哀そう。


でも、「売りません。」「売りたくありません。」とはなかなか言えない。本当は、言いたくても。


 そんな事より、本当に剛田先生が証明してくれるのか聞いてみよう。

 アポイントメントを取ると、先生の仕事終わりに話を聞いてくれることになった。

近藤小介弁護士事務所から、脅しの封書が届いたことを話し、私が初めてここに来た日のこと、歯が破折していたことを証明してくれるのかを聞くと。


・・・やはりそうなったか。


「うーん・・・。これから医師会でやっていくのに、猪熊さんと関係が悪くなるとやりにくくなる。猪熊さんに “ お前、言っただろう。 ” と医師会の会場で、みんなの前で言われて、口論をしたくない。クリニックの仕事もあるし、訴訟のためにクリニックを休むわけにはいかない。猪熊さんとは友達でもないし、話したこともないし、親しいわけでもないけどね。林さんはどうしたいの? 謝ってもらいたいの? それともお金? いいじゃない、もう治ったんだから。許してやれば。猪熊さんだって一生懸命やっているんだし。」


 えー!! 「一生懸命やっている」って、一生懸命やっていればいいわけ? できない奴が一生懸命やればやるほど、ドンドンひどいことになっていくんですけど。猪熊自身の事だけだったらいいけど、猪熊自身が一人でひどい事になるだけだったらいいけど、患者さんの大切な歯がかかっているんですよ。そんなヤブのブラックに歯科医の仕事をする資格はない。私の歯が治ったって言っても、ただ単にボンドでくっついっているだけで、またいつ破折するか分からないのは、私より先生の方が良く分かっているんじゃないですか?


 そして、「僕は、人間対人間だと思っているから。」と。


 歯科医だと、猪熊みたいな人でも人間だと思うのね。本当に人間対人間だと思っている? 歯科医師対歯科医師じゃなくて? 


 では私は? 私は人間とも思われていないって言うことですよね。私のことはどうでもいいってことだ。


 剛田先生に言われて気づいたのは、私は “ 猪熊をどうしたいのだろう? ” ということ。猪熊に謝ってほしいとは思わない。あんな奴が心から謝るわけがない。嘘の謝罪などいらない。じゃあ、お金? お金は猪熊に払わせて当たり前。治療費、慰謝料、交通費、諸々の諸経費・・・。 私には受け取る権利がある。 


 それもそうだけど、一番は、猪熊の “ 歯科医師免許剥奪 ” である。そうだった、そうだった、それって当然じゃない? それから、猪熊の悪事が世間に広まること。こういう人がのうのうと歯科医をやっているのだということを世間に知らせたい。そうして、みんなに “ 気を付けて ” と言いたい。次の被害者を出さないこと。それが一番にやりたいこと。


 ほらね。結局はこうなる。訴訟問題に巻き込まれたくないのは分かる。私だって、だれかに、「訴訟を起こすから証明して。」と言われたら、「えっ!!」ってなってためらうと思う。でも、そんな問題が起きた人なんて周りにはいないし。(もし、いたとしても、大っぴらにしていないからわからないだけ?)だけど、正しいことをしないと自分の心が痛む。今後生きていくのに違和感が生じる。私だったら。私だったら本当のことを言う。


 だから医療に関しての訴訟は難しいと言われたのだ。分かっていたけど、実際にそうだった。

(本当は簡単なのに。事実を言うだけでいいのに。こんなに簡単なことはない。)


 剛田先生もやっぱりダメか。ちょっとがっかり。

やっぱり、みんな自分がかわいいものね。余計な問題には巻き込まれたくない。平穏無事に過ごしたい。


 でも、他人の心は変えられない。剛田先生の心は変えられない。無理やり変えることはできない。私が変わらなければならない。それに剛田先生には、ここまでお世話になったのだから、猪熊のせいで嫌な思いはさせられない。これから歯科医としてやっていくのにやりづらさを持ってほしくない。



 本当におかしな世界。他人に障害を負わせたって弁護士を雇って「やってませーん。私、歯なんか折ってませんよ。」って言えばそれで済むのだ。それも、誰にも知られないように秘密裏に処理すれば。何もなかったことになる。(本当はならないけど)

そういえば剛田先生も言っていた。「歯科医師会で弁護士を雇っていると思うから大変なんじゃない。」って。やっぱりね。そうなんだ。どんなひどいことをしても歯科医師って守られるようになっているんだ。でもそんなことをしていたら次の被害者が出るじゃない。決して良いことなんかじゃない。隠したって。助けたって。タヌキおじさんとその仲間たちだって、猪熊さんに治療をお願いするかって言ったら、そんな歯科医院になんて行かないでしょ。家族にだって、知り合いにだって「あの歯科医院には行くなよ。」って言うはず。それなのに自分に関係のない人たちはどうなってもいいってことですよね。自分だけお金が手に入れば。


 どんな手を使っても勝つことだけが目的なんだなー、この人たち。勝率何パーセントだったら良いのかな。あー、違った、違った、その前に、お金って目的があった。


 この人たちにとってお金は、麻薬並みに価値があるのだろう。それが全て。自分自身に魅力がないので、お金を持っていないと誰にも愛されない。お金がないと誰も寄ってこない。お金がないと誰にも尊敬されない。お金がないと自分に力があると感じられない。お金がないと自分には価値がない。お金がないと威厳を保てない。お金がないと自分に自信が持てない。お金がないと自分はダメなやつ。


 ちゃんとわかっているじゃない。だから自分にはお金が必要だって。今、あなたの周りにいる人たちは、あなたの金が目当てだから、お金が無くなったらあなたの価値は何もなくなっちゃう。そうよ、そのままのあなたじゃ、何の価値もない。だから、どんなことをしてでもお金が必要なの。

 でも、そんなにお金に執着していても、ちゃんと入ってくるなんてすごい。執着も、度を過ぎると、執着ではなくなるのだろうか? それが謎である。


 それと、そんなに権力を欲しがるのは、あなた方の中のエネルギーが不足しているからだって。カラッカラに。砂漠のようにバッサバサ。なので、どんなに権力を持っても満足することはない。次から次に、もっともっとと欲しくなる。自分でエネルギーが作れない。湧いてこないので、自分の周りにいる、自分より下の立場にいると感じている人(本当は、そんな人などいないのに)から無理やり、奪い取らないとならない。他人をコントロールし、自分の都合よく動かし、支配することで快感を得ることができる。

自分より、弱い立場にいる(と思われる)人に、罪をかぶせ、嫌がらせをし、恐怖を植え付け、いじめをし、遠慮させる、我慢させる。それで、快感を得ている。


 あなたたちは “ エネルギー・ヴァンパイア ” である。


 強さの象徴と言って、ある動物を事務所の象徴にしているが、それだって自分に自信がないから、なんらかの象徴が欲しくなる。本当の自分は弱いことを知っているから、強い者へのあこがれである。だから象徴をつくって、それにしがみつきたくなる。

本当の強さって何なのかを知っているのだろうか? 近藤さんは。強さとは権力を使って他人をねじ伏せることだと勘違いしている。そんなの全然強くない。本当に強い人は自分の間違いをきちんと認めることができる。優しくて、しなやかである。

 この人は暖かさも、思いやりもない。繊細でもない。気遣いも出来ない。謙虚さなど微塵もない。全く持って誠実な所など一つもない。他人などどうなってもいいと思っている。想像力が全くない。そんな人が弁護士を名乗り、強さの象徴だと言っているって、どうだろう?



~ 

 なぜか? 子供の頃から皆に嫌われていた。 

「近藤君はいじわるだから、一緒に遊ばない。」

「性格が悪い。」

「チビ、デブ、ブサイク。」

「くさーい。」

「汚いから、こっちに来るな。 バイキン、バイキン。」

「運動ができなくて、カッコ悪い。」と言われてきた。

 親にも愛されてこなかった。一度も褒めてもらったことがない。いつも「ダメ、ダメ、ダメ」と卑下されてきた。

 私は、自分がダメなやつだとわかっている。だからといって、このまま終わりにしたくはない。スポーツは何をやってもダメだけど、有り難いことに勉強だけはできた。なぜなら、遊ぶ友達が誰一人いなかったので、いつも勉強ばかりしていたからだ。

 だから大人になったら弁護士になって、みんなを見返してやろうと思っていたのだ。弁護士になって、力をもって、私をバカにした者たちをひれ伏させてやろうと思ったのだ。もちろん、金も手に入れ、ありとあらゆる高級品を所有してやる。弁護士になって金持ちになれば、女だって、誰だって寄ってくる。みんなに尊敬してもらえる。自信がみなぎってくる。みんなが普通に持っているものは何でも手にしてやる。金と権力があれば何だって手に入る。いや、入れてやる。そして、みんなが羨む生活をしてやるのだ。そのためにはどんな手も使ってやる。私をバカにした者どもよく見ていろ!

                   ~


 

 この人たちのやっていることって本来の目的からずれていない? 正しい人がちゃんと助かるように、嫌な思いをしないように、それが少しでも軽減できるように、損をしないように(言いたいことはもっとある)することじゃないの。それが弁護士なんじゃないの?それが逆になっているのはどうしてだろう? 「お金を払ってくれれば誰でも助けますよ。嘘もつくし、ごまかしもするし、本当は歯を折っていたって折ってないことにしますよ。どんなあくどい手でも使って上手く逃げられるようにしてあげますよ。だから、さあ、早くお金を払って、払って。早く、お金払って。」 


 本当に嫌だ。気持ち悪くて “げー” って吐いちゃう。


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