人形姫の失態
王宮の大広間の隅、普段は人目のつかない絶好の安息の場所が今日は逃げ道のない檻のよう。人々の注目を浴びてリーシャは限界寸前。
リーシャの手を取り満足そうに微笑むと、すぐにその美しい眉を下げて悲しそうな表情になる…。
「俺のせいで―――」
(あ……もう、ダメ)
「「!!!」」
高貴な方がなにか言いかけたその時、リーシャはその場に倒れ込んでしまった。レヴィが呼び続ける声と、抱きかかえられる感覚。薄れゆく意識の中見えたのは美しい白金色の髪。
(あれ……どこかで…………)
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グランバル伯爵領は酪農が盛んで広大な面積を誇る自然豊かな領地だ。だが主な税収を領民の生活に還元している為、領主であるグランバル家は『貧乏伯爵家』と不名誉な呼び名がつけられてしまった。
使用人も数える程で、今回の付き添いはレヴィのみ。よって夜会の支度もリーシャは自分自身で行ったのだが……。
(お母様のおっしゃる通りだった……。コルセットをしている時は、いっぱい食べないように言われていたのにっ―――。)
気合いを入れてコルセットを締め、さらには美味しいお料理をたっくさん食べてしまった為、気分が悪くなってしまったのだ。
運び込まれた部屋でコルセットの紐を緩めると真っ青な顔色が段々と良くなり、気分が落ち着いてきた。
父と両陛下も駆けつけ、心配そうにリーシャの様子を伺う。が、父には原因がお見通しだったようだ……(帰ったらお母様からのお説教がっ泣)
しばらくすると元の顔色に戻りリーシャはすっかり元気を取り戻した。心配だからと傍を離れようとしないラスタ様を陛下がなだめ、父と部屋を後にしてすぐ先程の高貴な方が現れた。リーシャの様子を見ると何かを察したのか、心配そうにしていた顔がイジワルに笑う。
「お前、昔と変わらないんだな(笑)」
(お前? 昔??)
頭の中の???が増える一方。
「大変な失礼をいたしました。こちらまで運んでいただき御礼申し上げます。ところで貴方は……」
そう言ってちらりと顔をあげると呆れたように眉間にシワを寄せる。
「お前わからないのか?」




