邪心と人形姫
華やかな宴の席。招待された貴族たちは会話を弾ませ、優美な音楽と共にダンスを舞い今夜を楽しんでいる。
その端の一角で、今宵の宴の主催者である国王夫妻とある父娘が仲睦まじく笑いあっている。
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〈両陛下とあんなに親しい間柄なんて〉
〈王家と親密になれたら重要な役職に就けるかもしれない〉
〈あのご令嬢と親密な関係になれば、――――――〉
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「そうだ、大事な事を忘れるところだった。
ローガン。私と共についてきてくれないか?話したいことがあるんだが。」
泣き腫らし真っ赤な鼻の陛下が父に言う。父は私に目を配らせた。
「私はここで休ませていただくわ、お父様。」
私から離れるのが心配なのか、レヴィに軽く耳打ちをし不安げに私の顔を覗き込む。
「少し行ってくるよ?いいかい。レヴィから決して離れてはいけないよ?」
心配しすぎよ〜と笑い、ラスタ様から「また後でね♡」とキスを貰って両陛下と父を見送った。
「ねぇ、レヴィ?王宮のお料理ってどうしてこんなに美味しいのかしら?いっぱい食べたのに、もっと食べたくなるの。」
「はぁ……。お嬢様、これ以上は奥様に叱られてしまいますよ?」
呆れた様にレヴィが軽くため息をつく。スパイめ……お母様に報告する気ね。それならば!肩を落とし、しゅんとしてみせる。すると、困ったようにレヴィが言う。
「お嬢様、旦那様にお嬢様から離れてはいけないと申し付けられているのです。この場から離れるわけには―――」
えーい!もう一押し!さらに、しゅん……。
「はぁ……。いいですか?ほんの少しだけ席を離れますが、絶対にこの場から動かないでくださいね!絶対に!!」
そう言うとレヴィはあっという間に居なくなってしまった。フフ♪レヴィの弱点はお見通し、わたしの勝ち♪♪
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〈ご令嬢がひとりになったな。〉〈いまがチャンス!〉
〈ダンスに誘って、彼女をその気にさせてやる!〉
〈おい君、待て!彼女は――――――〉
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「こんばんは、お嬢さん。」
突然声をかけられてリーシャはビクっと体が跳ねてしまった。
「はは、驚かせてすまないね。愛らしい貴女へ今夜のダンスのお相手を申し込んでもよろしいでしょうか。」
“この方………。”名乗りもせず、明らかに下心が見えている男の言動にリーシャは静かに怒りを覚えた。
“それならば―――!”
「お誘いいただき、光栄ですわ。ですが……」
リーシャは立ち上がり、ドレスの裾を少しだけまくってみせた。
「っ?!」
ドレスの裾の下から見える彼女の左足は、可愛らしいその姿に反して重々しい金属でてきていた。
「ご覧のように、私義肢ですの。貴方のご負担になるかと思いますが、
よろしいですか?」
そう言うと、とびっきりの笑顔を男に送った




