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人形姫とダンスを。  作者: ViVi


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未来


マルクとギル、ふたりの医師がグランバル伯爵邸を訪れてからちょうど1ヶ月。リーシャが待ち続けた日が訪れた。


「こんにちは、リーシャ嬢。お待たせしたね」


そう言ってグランバル伯爵夫妻とリーシャの前に木箱を置きひと月前よりも伸びた白い顎髭でニッコリと笑うギル。


「これから君の多くの願いが叶いますように─────」


ギルが木箱を開けるとそこには鉄と木材で作られた美しい“脚”。


目を輝かせ箱の中を見つめるリーシャにマルクとギルが微笑む。


「さぁ、合わせてみましょう♪」



待ちに待った瞬間。


夫妻が心配そうに見つめる中、マルクとギルがリーシャに出来たばかりの“これからの未来(左脚)”を装着する。


左脚の切断部とギルの作製した義足はピッタリと合い、ベルトで腰と太腿へと固定する。


マルクの手を借り立ち上がると右脚との高さもピッタリ。


「さぁ。」マルクの手を取り、そのまま恐る恐る初めの1歩を踏み出す。ふたりの周りにはレヴィとハロルド、そしてマーサ。


「っ?!」


ずっしりとしたその重さに身体がついて行けずバランスを崩してしまう。


「「「お嬢様っ!!」」」


「あっ、」 そう言うと同時に、


“ぽふんっ!”


大きくて柔らかい物が倒れかけたリーシャの体をやさしく受け止める。


「─────くま伯爵!」


倒れかけた先に手早くマーサがくま伯爵を入れ込み、床へ体を打ち付けることなく助かった。


くま伯爵へ「ありがとうっ!」と声を掛け抱きしめると、そばに駆け寄るマーサにギューっと強く抱きつく。


「接合部分、右脚とのバランスも良好。しばらく様子を見ながら調整を重ねます。その後は成長に合わせて都度調整をしていく事になります。


後は、リーシャ嬢ご自身の筋力と体力の問題ですが…いかがですか?」


ギルが問いかける。少し心配そうな灰色の瞳を力強いハシバミ色が見つめ微笑む。


「なーーーんにも問題無いわっ!少しビックリしちゃっただけよ!


ふふっ、 ひさしぶりに両足で歩くから、筋肉痛になっちゃうかも♪レヴィと特訓しなくちゃ♪♪」


そう言って笑うリーシャにホッとした様子のギルと、マルク。レヴィはリーシャの言葉に少しゾッとしているが、嬉しそうなその笑顔を見て笑みが零れる。


ローガンとアンヌは愛する娘の笑顔を見て溢れる涙を止められない。 マルクとギル、二人の医師を交互に抱き締め感謝の言葉を言い涙を流し続けた。




────────────────────




バドスピーク王国の王宮内、王妃ラスタが心(・)友(・)家族を迎え入れる為特別に用意した部屋で、リーシャはヴァロワ王国新国王の大きく厚い胸を泣きながら小さな拳で叩き続ける。


(生きてた!また、会えたっ!!)


溢れて止まない涙とちいさな拳を受け止めながら、ヴァロワ新国王は大きな身体でやさしく強くリーシャを抱きしめた。



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