嬉しい知らせ
騎士団の引き継ぎを済ませ、3人は別れを惜しまれつつ王都を旅立った────。
グランバルへの長い帰路、すっかりレヴィはアンヌに懐きそばを離れようとしない。馬車の中では寄り添い、楽しそうにおしゃべりに夢中だ。そんなふたりを嬉しくも少し寂しい複雑なローガンが愛おしそうに見つめていた。
前グランバル伯爵と領民達は娘とともに帰ってきた新しい家族を温かく迎えてくれた。レヴィも最初こそ人見知りでアンヌの後ろに隠れモジモジしていたが、あっという間に慣れ領地のこどもたちと毎日走り回っている。
3人が家族になりいくつか季節が過ぎた頃、グランバル領に待望の嬉しい知らせが訪れる。
「坊ちゃん、美味しい野菜が取れたから持っていきな!アンヌ様にもいっぱいたべて貰っておくれよ♪」
「レヴィ様、こちらを!」
(小さな帽子と、靴下……。俺には小さすぎる様な……?ま、いっか♪)
「ありがとう!」
両手いっぱいに領民達からのいただき物を抱えて屋敷へと帰る。真っ先に向かうのは、大好きな────
「ただいま!母様っ!」
窓辺の椅子に腰掛け編み物をしているアンヌが微笑む。
「レヴィ、お帰りなさい」
アンヌに抱きつき今日あったこと、見つけたこと、領民から貰った物のこと、今日の出来事を次々に話すと嬉しそうにアンヌが頷き聞いている。
「さっき、これ貰ったんだよ!俺には小さすぎるや!」
レヴィがそう言って見せたのは可愛らしい小さい靴下。
「レヴィ、母様のお腹に手を当ててみて?」
「???」(母様、最近おなかがぽっこりしてる……おやつのたべすぎかな。)
怪訝そうな顔のレヴィを見て、「ふふふ」と笑う。
「母様のお腹の中に赤ちゃんがいるの。レヴィはお兄様になるのよ?」
「??????????」
「!!!!!!!!!!」
嬉しさのあまり声が出ず、顔を真っ赤にして喜ぶレヴィ。アンヌのお腹に抱きつき、耳を当てる。
「俺が、“おにいさま”!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶレヴィの姿を見てアンヌも嬉しそうに微笑んだ。
それから程なくして、グランバル伯爵の屋敷では伯爵位を継いだばかりのローガンとレヴィがウロウロウロウロ部屋を行ったり来たりしていた。
「旦那様、坊ちゃん、どうか座ってお待ちください。」
執事のハロルドが声を掛け、ふたりがソファに腰掛ける。が、すぐに立ち上がりウロウロウロウロ……。すると、
「────────────!」
ドアが勢い良く開き、屋敷に古くから使えてくれているメイドのマーサが入ってきた!
「おめでとうございます!可愛らしいお嬢様です!!」
「「!!!」」
ローガンとレヴィは互いに顔を見合せ抱きしめ合う。
「「やったー!!!!!」」




