ローガンの提案
騎士団の宿舎への道をアンヌの歩幅に合わせレヴィを抱えて歩く、そんなローガンに寄り添い隣で微笑むアンヌ。
「ふふ、ローガン様は幼い子に好かれるようですね。」
そんなことは、とローガンが言うとアンヌが続けて言う。
「レヴィ様からローガン様の大好きなところを今日は沢山教えていただきました。剣術や文字を教えてくださる事、意外とお寝坊さんで起こしに行くと一緒に寝ようとベッドへ引きずり込まれる事、あとは……ふふ、隠れてつまみ食いしてコックに一緒に怒られてくれる事♪」
楽しそうに目を細めて笑うアンヌ、
「なっ、あれは1回きりだ!」
顔を赤らめ慌ててローガンが言うと、お互い顔を見合せ笑い合う。
「今日、“ローガン様と結婚しないで”と泣かれてしまいました。」
「すまない……。忙しさを理由に『あの話』をレヴィにせずにいたから。君に悲しい思いをさせてしまったね。」
いいえ、と首を横に振るアンヌ。
「レヴィ様にローガン様と同じくらい好きになって貰えるように、これから私も頑張ります!」
そう言って笑うアンヌの額にローガンは優しくキスをした。
翌日、騎士団の宿舎裏にある訓練場にローガンとレヴィのふたり。
(どうしよう、おこられるのかな。勝手にアンヌにあいにいったから……)
「レヴィ。お前に大事な話しがある。」
ローガンの低い声にビクッと体が跳ねる。
(きっと…………)
レヴィの黒い瞳から涙がポロポロ零れ落ちる。
「なっ、どうした?!何故泣いている?」
突然泣き出したレヴィに驚くローガン。レヴィの傍にしゃがみ込むとその膝に座らせ優しく話しかける。
「ひっ、だってローガン卿にきらわれたっ。ひっく
アンヌにかってにあいにいって、いっぱいイジワルしちゃったから、わぁぁぁぁぁん( ; ; )」
膝の上でわぁわぁと泣き涙を流すレヴィをギュッと抱きしめる。
「嫌いになる訳がないだろう?アンヌには一緒に謝りに行こう。」
頬を流れる涙を大きくて長い指で拭うと、レヴィの瞳を真っ直ぐ見つめる。
「レヴィ、私の子供になってアンヌと3人、グランバルで暮らさないか?」
突然の提案にレヴィは大きな黒い目をパチクリさせる。
「おれが、ローガン卿のこども??????」
頭の中が『???』でいっぱいなレヴィが呟く。
「そうだ。」
ローガンの言葉にまた瞳に涙が溢れ出てくると、今度はしっかりと大きく頷く。
「ふはっ、鼻水すごいぞ(笑)」
大粒の涙を流し頷くレヴィを見て、くしゃっと意地悪そうに笑いながらローガンが言う。
「う゛ぅー、はなみずこうげきー!」
「うわっ!やめてくれー!!(笑)」
胸元に顔を擦り付け抱きつくレヴィを先程よりもきつく抱きしめる。ローガンの頬にも涙が流れていた。
一方、ふたりの様子を物陰から覗き見る姿がひとつ、ふたつ、みっつ……。団員達も心配でこっそり後をつけてきていた様だ。
〈上手く話せたようですね!〉〈あぁ、本当によかった、グスッ〉
〈あんな健気に思われてるんだもん、バルテル卿は幸せですね
〉
〈ふたりが居なくなったら寂しくなるなぁ……ん?〉
「お前たち、訓練場で何を?」
いつの間にか目の前にレヴィを抱いたローガンが立っている。
サーーーーー!
団員達の血の気が引く音が聞こえる。
「今日は訓練は休みだったはずだが……そうか!皆、まだまだ励みたいのだな♪よーし、素振り1000回!その後実練習100回!!開始!!!」
「「「鬼ーー(泣)!!!!!」」」




