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人形姫とダンスを。  作者: ViVi


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19/52

絶体絶命


※暴力的、流血の表現があります。苦手な方はご注意下さい。



“貧しい”と蔑まれながらも、笑顔が溢れ平和なグランバル伯爵領。その姿がほんの数刻で一変してしまった────。

美しい森は焼かれ、家々からも炎が立ち上る。祭りの為に領地の皆で準備した飾りも、踏み潰され道端に悲しく忘れられている……。



涙を流すアレックスの手を握り、リーシャが微笑む。

「ハァ……行って、」

「っ!……必ず、無事でいてくれよ?」

リーシャの青白くなった頬を撫でてそう言うと、アレックスはエヴァと共に森の奥へ走り去っていった。


「なに勝手に逃がしてるんだよ。」

不機嫌そうに紫の瞳の男が顔を歪める。いつの間にか、男の仲間も数人集まって来ていた。「追え。」仲間にそう言うと一斉に森の方へと走り出す、

「ふたりを追うのは許さないわよ!」


「ハッ、『許さない』?立派なお嬢さんですねぇ(笑)」

鼻で笑う男。

「領民はみんな私たちの家族よ!家族を守るのはあたり前のことだって、パパが言ってたわ!」

「ふーん、じゃあこいつも守らないとなぁ?」


ボロボロになり横たわるレヴィの首元に男が剣先を向け、振り落とそうとした時だった。


「私の大切な息子と娘(こどもたち)に、何を?」


剣を振り上げた男の右肩を鋭い刃が走る。

「がぁっ?!な、誰だ!」

男が振り上げた剣は地面へと落ち、右肩からは血が溢れ出ている。


「パパぁ!」


「団長!」「この野郎っ!!」

仲間の男達が振り返り父へと襲いかかる。が、父は一太刀で男達を倒してしまった。


いつも優しく穏やかな父の顔が、怒りで満ちている。

「私の大切な家族に手を出したらどうなるか、思い知らせてあげよう。」

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