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テアトルムのナレーター  作者: yuruhuwa回路


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ガルドと新しい任務

 夏が来る前に、ガルドに話があった。


 セドリックが訓練所を訪ねてきたのだ。


「北方の復興支援について、王宮で議論が続いています。現地の実情を知っているあなたに、定期的に助言をもらえないかと思って」

「助言とは」

「月に一度、王宮の委員会に出席して、現地の状況についての見解を述べてもらいたい。討伐の記録と現地視察の経験があるのは、今や王宮内でもあなたとエイル君だけです」


 ガルドが少し考えた。


「エイルも呼ぶのか」

「できれば。あの記録書は委員会でも高く評価されています。十六歳であれだけのものが書けるとは、と驚かれていました」

「今は十七だ」

「いずれにしても、ぜひ」


 ガルドがオルデンに相談した。


「月に一度なら、訓練所に支障はない。行ってこい」とオルデンは言った。

「エイルを連れていくことについては」

「あいつの成長になるだろう。行かせろ」


 翌日、ガルドはエイルに話した。


「王宮の委員会に出席することになった。お前も来い」


 エイルが目を丸くした。「王宮に、ですか」


「北方の復興支援についての助言だ。お前が書いた記録書が評価されている」

「……俺の記録書が」

「驚くな。当然の結果だ」


 エイルがしばらく黙った。それから「はい」と言った。背筋が伸びた。


 秀はそのエイルの顔を見ていた。


 自分が真剣にやったことが、遠いところで誰かの役に立っていた、と知る瞬間の顔。


 前世で、自分たちの音楽が海を越えて届いていると知ったときの顔と、同じだった。


 懸命に作ったものは、思わぬ場所まで届く。

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