表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死体回収業務は真似っこさん  作者: ⻆谷春那
CaseK.1 真似で救われる人生
13/14

ゼレブストグ王国 マッチ支部より、諦めと愛を込めて

死体回収業務は真似っこさん

⻆谷 春那

CASEK.1

真似で救われる人生

ゼレブストグ王国 マッチ支部より、諦めと愛を込めて

「100の水を、50の瓶に入れると?」

「大は小を兼ねるが、小は大を滅ぼしかねない。」

「よし、完璧だ。」

「・・・わざわざ言う必要ある?」

「あのなー…

誰もかれも、お前の事、知ってるとは限らないんだぞ?」

「大丈夫よ。

ちゃんと良い皮持ってるから。」

「じゃぁ、俺の前でも被っとけよ。

『練習』しろ、『練習』。」

「嫌。めんどくさい。」

「お前な~…

スバヴィートが可哀想だとは思わないのか?」

「大丈夫よ。

都市部の方には寄らないから。

このまま向かうわ。

用意して。」

「はぁ?!お前。

どれくらいあるか、分かっての、か?!」

「スバヴィートを慮るなら、行動で示してあげたら?」

「どんくらい店閉める羽目になるんだろ…」

「どうせ客なんて来ないでしょ。

此の国はもう、終わりよ。」


若干男の表情は固まったが、【怪人】はそのような事は気にしない。

どうせこの男も、【人間】ではないのだ。


勿論、どちらも【人間】にしか見えない。

しかし、どうしてそう分かるのか?




勿論、当人たちにしか分からない「感覚」のようなものもあるのだろう。

しかし、それだけではないのだ。




元々の「知識」の問題だ。

「知識」「教養」「勉学」。

つまり、「知っているか、知らないか」。


教養は時に人を助け、記憶は時に人を蝕む。

無知は時に人を誑かし、無教養は時に人を鼓舞する。






「ゼレブストグ王国」―【外小国】ではなく、【内強国】であり、

オフェル連合王国と言う周辺国の侵略を受けたと、自作自演をしている国―が、

「マッチ」と言う都市を持っているという事も。


「ヴェルフ」と言う名の異形が居た都市が、「スヴァーグ」

―オフェル連合王国の都市―であったという事も。


今【怪人】が居る都市が、「マッチ」であるという事も。


ワーガーネス女爵が襲撃された都市が、「マッチ」であったという事も。






全て、教養であり。

この【怪物】は、必然的に知っている。

なぜなら、その身を以て、経験し、習得した内容であるからだ。


そして今、この【怪人】は、【魔物】に。

その身で得た「情報」を使って得た「教養」を披露しているのである。


そして、【怪人】と【魔物】でなくても。

知っている可能性は、十二分にある「知識」だ。

十分に公開されており、民に秘匿されていない情報であるため。

勿論、「滅ぶ」という事を、今の(・・)民が知る由は無い。




しかし、将来の民にとっては、傍から見ても。

十二分に成立し、合理的な筋であった。

いつからか、「ゼレブストグ王国」は、致命的な勘違いをしていたのだ。




しかし、「マッチ」から「スヴァーグ」に、【怪人】が向かった理由に関しては。

あまりにも私的な内容であり、公表されるはずも、知る由もない。






【魔物】は、【怪人】を問いたださない。

ただ、あしらうだけだ。


しかし、十二分に。

この【生物】の性質を、理解した上だ。


どうせ、向き合っても、どうしようもできないのだ。

もっと上の、広い「何か」がズレたから。


「空」の乱れを、地を這う生物が、どうして正せようか。




無論、この【怪人】も、反応は既に知っていたことだ。

真面目な者に話しても、不安を煽るだけ。


不真面目で、なおかつ容量が良く、「心」を真摯に向けられていない

―そう、「自分」のような者でなければ。

話せない。


スバヴィートは、真面目で、良い女だ。

上の命には従い、なおかつ下の申す事も、出来るだけ真摯に聞き届けようとするような。


上と下の板挟みになるような、哀れで優しい女を悩ませる事を。

これ以上増やしてやる訳にはいかない。


別にこの【怪()】は、性格が悪い訳ではない。

生半可に、ひねくれているのだ。

「命令」はされたくないが、「強要」させる程、堕ちてはいない。


そう言う意味では、この【怪()】も、板挟みなのかもしれない。

また、「反抗期」「嫌々期」とも、言う。


サフ・オルマヤンは、別に熱意を持って職務を果たしている訳ではない。

ただ、社会と権力の流れに従った結果。

今の状況に、流れ着き、落ち着いたのだ。


「スヴァーグ」の【異形】は、確固たる意志と理念を持っていた。

しかし、「マッチ」の【魔物】は、そうでもない。

別に、どっちでも良いのだ。

「人間」も、「合理」も。


ただただ、程よく「世話好き」で、「人外が好き」で、「合理主義」。

別に、「人間」は好きでも嫌いでもない。


【怪()】は、スバヴィートを慮って、この世話好きの男に、話した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ