5話 背反するワタシ達
──。昔々、この村には双子が生まれました。
一人は天使の様な苍い目をした華奢で可憐な子。
もう一人は見るのも恐ろしい悪魔の様な硃色の目をした何とも不気味な子。
2人とも直に散りゆく身。
片方は村に残り修行を。
もう一方は村を離れ各地を転々とした。
片方は村に平和をもたらす勇敢な者と。
もう一方は世界を破滅に追いやる魔の者と言われた。
片方は何もかもを救うために。
もう一方は何もかもから救われるために。
双方13歳の頃。
村の山の頂に交えた。
片方はもう一方を吸い尽くした。
一方は己の身を焼く覚悟で自らをその地に眠らせるように。
もう片方は感謝の意を込め安らかにその地で長く短い眠りを叶えられるように。
双方が残りの力を絞り出す。
今度は反発の為ではなく。
背反したワタシ達が1つ同じ事を思えていたのだとしたら。
それはきっと、『この地の静まり。』
一方の身体と魂が耐え切れず綻びが生じ始めている。
溢れ出す耀へもう片方が世界一安らかな檻を。
檻が祠に形を変える。
一方が限界な自らに鞭を打ち、叫ぶ。
「神竜此処に封じる、他の化は恐れ慄き近づかぬだろう。不依村、此処に。」
───────。
時は現代。
一人の少年が生まれ、一人の老婆が亡くなる。そんな永遠の世界を回りながらもう片方は未だに歩き続け、伝承を伝え残しているそうだ。
今度は、街を治しながら。
複雑な形が絡み合い形を変えてゆく物語。
それは循環する。
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