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妻と一緒にビー玉覗く

自室でビー玉を覗いていた俺に妻が話しかけてきた。

「何、ビー玉なんて覗いているの?」

「信じられないと思うけど、ビー玉を覗くと昔の夕方の場面が出てくるんだ」

「何それ?」

「騙されたと思って覗いてみて」

妻がビー玉を覗く。しばらくして信じられない様子になる。まるで、ついさっきまでどこかにいたような表情で、ぼーっとしている。

「・・・これどこで買ったの?」

「スーパーに行く途中にあった露天商で買った。150円」

「うそ」

「ほんと!俺も信じられないんだよ」

「私も見えた、夕飯を作っている母さんが。その周りで遊んでいたのよ、きょうだいと。もっと見てもいい?」

その時、自分の子どもたちの笑い声が聞こえた。

俺ははっとなって、「なあ、それはやっぱり露天商の人に返す」

「どうして?」

「確かに思い出は大事だ。あー、俺は愛されていたと。その後はもうあんまりない。しかし、俺は憎しみで生きていくと辛い。でも楽しかっただけでは今を見失う。いいも悪いも受け入れて再生するんだよ」

妻は少し名残惜しそうにビー玉を見つめた。

「わかった。でも露天商の人いなかったらとっておいて。時々は覗きたい」

妻はビー玉を返した。



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