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ビー玉からみる過去の夕日、貴方には何が見えますか

梅雨はじとじとと言うが、どちらかと言うと寒くて仕方ない時とじとじと熱いことがある。バスや電車に乗ると傘で濡れたり、自転車ならコートを着ても全身が濡れる。

気持ちも憂鬱になる。余計に職場に行きたくない。

そんな梅雨が一時的にやみ、俺は夕飯を買いにスーパーに買い出しにいくことになった。

アスファルトは雨の残りがあり、子どもたちはその中をバシャバシャしている。後ろで母親らしき人が怒っている。

何気ない日常だった。

ふと見ると露天商をしている人がいた。「夕日を売ります。1人150円」と立札を立てて、ビー玉らしきものを並べて黙って座っている。まわりの人は気が付かない。年齢不詳な感じなのに妙に怪しさもないような変な奴だった。俺は自然と惹かれ、目の前に立っていた。

「こんにちは」と露天商の人は声かけた。肌は透き通っているのに生命を感じない。まるでマリオネットだ。

露天商の人は続けた。「このビー玉はね。そう夕方の場面が見えるんですよ。おっと、貴方が疑うのは無理ないです。一遍、覗いてごらんなさい」

俺はおそるおそる覗いた。ビー玉の中は真っ赤に染まっている。

…急に引き込まれた。

まるで自分はどこか別次元に行かされ、自分が自分でなくなるような。

そして、俺の頭の中に3歳時の俺が浮かんだ。

妹と俺は、母親に引きつられて夕方スーパーに買い物に来ている。

俺と妹はおかしをねだって、母親が笑顔で応えていた。

俺は自然と泣いた…。

久しぶりだ。

とめどなくあふれた…。

「どうです、夕方見えたでしょ?」

「ええ。」

「150円」

俺は150円を支払い、ビー玉を買った。

その後、晩飯の材料を買い、俺は自宅に帰った。

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