精神-5
長四郎と燐は最寄りの警察署にその身を置いていた。
「あ~あ、あんたが暴れるからこんな事になったんだよ」
取調室で隣に座る長四郎に語りかける燐。
「何を言うのよ。ラモちゃんがあの刑事を蹴ったからこんな事になったんでしょうが!」
そう、例のサングラス男二人は刑事であったのだ。
「いやいや、あんたがそれ以上に暴れたからじゃん!!」
長四郎は燐に助けを求められサングラス2を燐から引きはがし、これで終わりだと思ったら、サングラス1がタックルで長四郎を押し倒した。そこで、長四郎のスイッチが入った。
「何すんだぁ!」
サングラス1の金的を蹴り上げダウンさせ、どこかへ電話するサングラス2を蹴飛ばす。
「スぅ~」静かに息を吐いて心を落ち着かせる長四郎。
「あ~あ。気絶しちゃってるよ」
燐は気絶してるサングラス1をツンツン突く。
ウ~
パトカーのサイレンが聞こえてくる。
二人はそこで、御用となった。
そして、今に至る。
「はぁ~ でも、あのサングラスズが刑事だったとは・・・・・・・」
まるで他人事のように話す燐にイラッとする長四郎。
「参ったな・・・・・・・」長四郎は困り果てる。
このまま、公務執行妨害で逮捕でもなったら探偵稼業が続けられなくなってしまう。
転職活動か・・・・・・・ 企業に勤めるのは、自分には不向きだろうそう考えていた時、部屋のドアが開く。
「長さん! 大変やったね」そう溌剌と部屋に入ってきたのは、警視庁捜査一課命捜班の一川警部だ。
彼は長四郎が高校生探偵の頃からの知り合いである。
「お疲れ様です」そう言って続いて入ってきたのは、絢巡査長である。一川警部の部下で、長四郎達と数々の事件を解決してきた間柄だ。
「一川さんに絢ちゃん。どうしたんですか?」
まさかの人物の登場に目をまん丸とさせて驚く長四郎。
「助けにきたの!」燐は吞気そうに適当なことを言う。
「助けに来たことは来たんやけど・・・・・・・」
「その言い方だと条件があるようですね」
「流石は長さん! ご名答」
一川警部は目で合図をし、絢巡査長は机の上に事件資料の写真を並べる。
「うわっ」
燐は写真から思わず目を背ける。
色んな死体を見てきた燐でも痛ましいものであった。
死体に刺傷がめいいっぱいつけられていたのだ。
「お~ これはこれは。凄まじいですね」
「やろ? これどげん思う?」一川警部にそう聞かれた長四郎は「相当、恨みをもった犯人と踏むのが常識でしょうね」と答える。
「警視庁もそう見とる。はい、次」
「はい」
絢巡査長は似たような死体の写真を並べた。
「連続殺人ですか?」
「長さん。今日は冴えとうねぇ~」
「あまり褒められたくはないですが」
「あのこれと私たちなんの関係があるんですか?」燐が本題に入るよう質問する。
「ラモちゃん、鈍ちんやねぇ~」一川警部にそう言われて燐はギッと睨む。
「要はこの事件の捜査を手伝うのが条件だろ? 分れよ。鈍ちん」
長四郎が言うと同時に、燐は長四郎の足の甲を思い切り踏みつけた。




