精神-15
燐が目を覚ますと、倉庫に居た。しかも、椅子にびっちり身体を固定されていた。
「あれ? 起きちゃった?」
影から姿を現すのは、フードを目深に被った男。
「起きましたよ。変態」燐は冷静に物を言う。
「本当に口の聞き方がなっていないな・・・・・・・」
男はサバイバルナイフを腰のナイフケースから取り出し、燐に近づいていくる。
「口の聞き方がなってないのは、そっちでしょ・・・・・・・ まともに話が出来ないくせに」
「何ぃ〜」
男は燐目掛けて、ナイフを突き刺す。燐は痛みを覚悟し、グッと目を閉じる。
そして、倉庫には悲鳴が上がる。
「ぎゃァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
手から血を流すフードの男。
「痛いかい?」
倉庫の入り口から声がする。
男は痛みを堪えながらフードを外して、声の方を見る。
「お、お前は!?」
驚愕するフードの男、野神弘志。
ま、読者の皆様はもうお気づきではありましたでしょうが・・・・・・・・・
「どうも。殺したはずの」
「熱海長四郎!!!」
長四郎の手には宙を回っていたブーメランがその手に返る。
「言うなよ。自己紹介してあげようと思ったのに・・・・・・・」
「そんなことより、私を助けろっ!!!」
「やだ」
「ごめん! お待たせ!!」
絢巡査長が燐の背後から姿を現し、縄を解く。
「ありがとうございます」燐は解放された瞬間、野神目掛けて走り出す。
そして、野神の鳩尾を思い切り蹴る。
いくら恰幅の良い野神とはいえ、いきなりの蹴りには耐えられず床に転がる。
「さ、ここであんたの暴走も終わりだ。依頼人さん・・・・・・・」
「か、金は弾む助けてくれ」
「やだ」
「俺は人を殺していない!!」
「じゃあ、なんでラモちゃんのことを殺そうとしたんだよ」
「そ、それは・・・・・・・ 失礼な奴だからだ!!」
「それが、動機か・・・・・・・」
「動機? 俺は人殺しなんかしてない!!」
顔を真っ赤にして怒る野神に、その場に居た全員が深いため息をつく。
ここまでしておいて、それはないだろうと。
「あのね。貴方は、人を殺してるの。それも大勢ね」
「しょ、証拠は!?」
「証拠ね・・・・・・・ これ、なぁ~んだ?」
長四郎が見せたのは電動キックボード・フープの写真だ。
「これ、あなたよく利用しますね。ウラは取れてます」
「だったら、なんだ!」
「これで犯行現場に移動していたんでしょ?」
「フヒっ!?」鼻息を荒くする野神に長四郎は続ける。
「そして、俺を殺した時の映像」
暗視カメラの動画を野神に見せる。確かに野神はソファーに横たわる長四郎人形をめった刺しにしていた。
「それは!?」
「よく撮れてるでしょ? そんで、これが現場を去る時の映像」
事務所から出た野神がフープに乗って去っていくのがしっかりと映し出されていた。
「これ撮ったの私」燐はまんざらでもなさそうに言う。
「で、連続殺人事件の方ではというと、ここのプリン屋さん知ってますよね?」
長四郎は以前、訪れた事件現場近くのプリン屋の写真を見せた。




