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探偵は女子高生と共にやって来る。- 精神 -【読み切り特別篇】  作者: 飛鳥 進
特別編-精神

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12/16

精神-12

 野神はその日も残業を終え,帰路に着こうと会社を出た。


「どうも,野神さん」


 そう声をかけるのは,熱海長四郎であった。


「どうも」


「今日,伺ったのはこれです」


 そう言う長四郎の手に握られていたのは,調査報告書であった。


「少しお話させて頂けませんか?」


「分かりました」


 少し不服そうではあったが,野神は了承した。


 二人は野神がおすすめする喫茶店へ入店した。


「ご注文は?」


 店のマスターが注文を聞いてくる。


「珈琲。野上さんは?」


「オレンジジュース。それとプリンっ!!」


「はい。珈琲とオレンジジュース,プリンですね。少々お待ちください」


 注文を受け,キッチンへと移動するマスター。


「プリン,お好きなんですか?」


「ええ,目がないくらいに」


「そうですか。では、ご依頼の件ですが」


「どうだったんですか?」


「はい。結論から申し上げます。あれは、刑事でした」


「刑事!?」


「はい。刑事です」


「私は何もしてない!!」


「分かってます。分かってます」


「本当なんだ!!」


 店の中で取り乱す野神に長四郎は必死で宥める。


「ふぅ〜ふぅ〜」


 息を切らしながら、野神は落ち着く。


「落ち着かれましたか?」長四郎にそう尋ねられ、野神は頷きながら意思表示をする。


「刑事の方には言いくるめましたから、もう捜査しないようにと」


「そうですか。でも、本当に大丈夫なんですか?」


「多分」


 長四郎もそのことに関して自信はなかった。口から出まかせを吐いたのだ。


「お待たせしました。プリンと珈琲です」


 マスターが商品を持ってきた。


「ありがとうございます」長四郎が礼を言うと同時に、野神はペロッとプリンを平らげた。


 満面の笑みで会計を長四郎に任せて、ひと足先に退店した。


「割り勘ではないのか…」


 長四郎はガックリと肩を落とし、珈琲を味わうのだった。


「で? 切り出せたの」


 翌日、長四郎は燐から昨日の成果を聞かれていた。


「切り出せたことは、切り出せたかなぁ〜」


 燐から視線を逸らす長四郎は、愛想笑いを浮かべる。


「その感じはダメね。私の番かしら」


「ふっ」長四郎は鼻で笑う。


「何よ。その感じ」


「いや」


「私の成果は知りたくない?」


「知りたい」


 燐は長四郎が以前訪れたプリン屋に行っていた。そこで、長四郎から指示された依頼を遂行していた。


「教えない」


「教えないじゃないでしょ。どうだったのよ」


 長四郎はこのとおりと言わんばかりに頭を下げる。大人の対応だ。


「そうね。これよ」


 燐はOKサインをする。


 それを見て、長四郎はとても嬉しそうな顔をする。


「繋がったのね」


「ああ。 脳細胞がフルスロットルだぜ!!」


「は? 何それ? カッコイイと思ってるわけ?」


 燐から辛辣な言葉をもらい長四郎は、今にも泣きそうな顔をする。


 しかし、長四郎には事件解決の算段がついていた。

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