精神-11
チュイ~ン
ヘルメットを付け公道を走る女子高校生。そう、羅猛燐である。
長四郎の命により、今、第一の事件現場へ向けて走っていた。
走りながら、長四郎に言われた事を思い出していた。
「良いか? 犯人なりきって運転しろ。そして、夜の交通量もイメージしながら走れよ」と。
「イメージって、湧くわけねぇっつうの!!」
燐は赤信号で停車する。
そうしてると、信号機についているオービスに目を向ける。
「これ使えないのかな?」
信号機が青になり、燐は再び走り出す。
それから、連続殺人事件現場を回った燐は長四郎が待つ事務所へ戻った。
「ただいまー」
事務所のドアを開けると「お帰りぃ~」そう言って、絢巡査長が出迎えた。
「あれ? 長四郎は?」
「今、お風呂に」
「はぁ?」
「さ、座って。座って」絢巡査長はソファーに腰掛けるよう促す。
「あ、はい」
燐は素直に従って、ソファーに腰掛ける。
「ああ、疲れたぁ~」
背もたれにもたれかかり、燐は天を仰ぐ。
「お疲れ様。で、どうだった?」
「それなんですけどね。走ってたら、ほら速度測る機械あるじゃないですか」
「オービスのこと?」
「そうです。そうです。それで顔照合できないのかなと思って」
「成程。その着眼点はなかった。うん、調べてみる。他に何か分かった?」
「いや、ただ走っていただけです」
燐はふぅ~とため息をつく。
「おう、お帰り」
バスローブ姿の長四郎が姿を現した。
「あんた、酒は飲むわ。風呂に入るわ.真剣に捜査する気あるの?」
「Off Course.(訳:勿論)」と答える長四郎は、冷蔵庫から缶ビールを取り出しプルタブを開け飲む。
「ぷはぁ~」
それを見た絢巡査長は欲しいなぁ~ と思う。
「絢ちゃんも飲みなよ」
長四郎は缶ビールを放る。
「冷たっ!! ありがとうございます」
「私にも」
「ったく、しょうがねぇなぁ~」
燐にはキンキンに冷えたスポーツドリンクを渡す。
「ありがとうっ!!」
「成果を聞こうか」
燐は絢巡査長に話した内容をそのまま伝えた。
「ふ~む。オービスねぇ~ ラモちゃんにしては良い目の付け所。素晴らしい」
「ありがとっ!!」燐は素直に喜ぶ。
「けっ!!」
長四郎は悪態をつきながら、ビールを流し込む。
「長さん。これからどうするんですか?」絢巡査長は質問された長四郎は「う~ん。気になったことが一件だけあるから。それを片したらかな?」と答える。
「気になることって何よ」
「ん~ それは秘密」
「でた。いつものパターンだ」
「絢ちゃんの方は?」
「はい。絶賛、調べている最中です。オービスも追加で調べます」
「ありがとう。よろしく」
「ねぇ、教えなさいよ」
「ラモちゃんは、プリンは好きか?」
そう言う長四郎はニヤリと笑う。




