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神の居ない世界にて  作者: アウラ
2.Can he kill?
56/249

53.

ブクマありがとうございます!

今後ともよろしくお願いします。


例によって前半は説明です。

後書きにて簡単なまとめを用意させていただきます。

 第参都市(トーキョー)は1つの国として存在している。


 確かにエステリア連合国は1つの国ではあるが立法機関が行政機関、司法機関などは各都市に別々に存在している。


 さらには言語も異なっているために果たしてそれを1つの国として見ていいのかと尋ねられれば難しいが、各都市間のやり取りは21世紀初頭の国家間の外交より桁違いに複雑で親密になっている。


 故に法の上では第参都市は1つの都市であって1つの国ではないのだが、個人の認識の上では1つの国である。


 第参都市――旧東京などの関東地方を含め旧山梨と旧静岡を含めた広大な都市である。


 人口は1億人を超えており、場所によっては溢れかえる程である。


 富士山などの一部を除いてほとんどがコンクリートジャングルであり地下はクモの巣のように地下鉄が張り巡らされている。


 さらには巨大な地下街も存在している。


 人の住めるところを可能な限り開発したのがこの第参都市である。


 エネルギー革命によって物質をエネルギーに変換する事が可能となった現代において一部の資源を除いて経済・工業面においてはほとんど問題を抱えていない。


 だが日本海を挟んだところに敵国であるヴェスティール神和国がある。

 敵国との最前線に位置する第参都市はとにかく兵力を増強する事が自都市からも各都市からも求められた。


 結果として考えだされたのが徴兵制であった。


 当初は非常に多くの反発を生んだが結果的に決まってしまった。

 それが以下の内容である。


・学校を卒業した者の内、一定の成績以上の者は第参都市軍へ兵役につく事

・兵役は10年間である

・兵役において給与支払いがなされる

・兵団及び師団毎で給与額は変わる

・兵役後において継続して軍へ従事するか第参都市への生活が認められる

・一定の税金を納めた者についてはその貢献として兵役を免除とする

・それ以外の者は都市外へ追放し農畜産業へ従事する


 つまり第参都市軍に居続ければ金銭面で困る事がないのだ。


 さらには安全な部署での兵役になる事もあるため、事実上死線を越える事となる者はそう多くない事も可決への拍車を掛ける事となったと推測されている。


 A区に現れた冥界犬(ケルベロス)などの特別な例外を除いて世界有数の安全な場所にして戦争での重要拠点と言う歪な都市――それがこの第参都市なのである。






 旧鎌倉――鶴岡八幡宮や長谷寺など歴史的建造物がビルの森に埋もれてはいるが未だに存在する古くからの観光地にして住宅街。


 陽里達は特に緊急の任務でもないため地下鉄にてやって来た。


「わっ、眩し!」


 地上に出た瞬間、真夏の太陽光がビルの隙間から香織に顔面照射される。


「あちぃな」


 秋雄も服を扇ぐ。


 昔も今もここは暑いのだ。海が人気になるのも頷けよう。


「取り敢えず建物に入ろう」


 信次が近くの店を指差して歩き出す。

 口には出さないが信次もこの暑さに耐えかねていた。


 ドアをくぐり抜けた瞬間に訪れる冷風に秋雄は満足する。


「満太さん大丈夫ですか!?」


 だが1人、滝のように汗が止まらない者がいた。


「だ、大丈夫……です」


 今朝もであったが満太は汗かきである。


「水飲みましょう!」


 香織は満太の荷物から水筒を取り出して満太に飲ませる。


「ありがとうです」


 満太は汗を拭きながら礼を言う。


「早くしろ」


 秋雄は苛ついた様子ではあったがそれを全面に出す事もなく言う。


「……はいです」


 しばらくして一同は再び外に出る。


「昼前ってより午前中じゃねえか」


 秋雄は今朝の天気予報で曇りのち晴れのち雨の天気予報の誤差に不満を言う。


「雨の中、外を歩くのはあまり良くないな」


 信次が言う通り好ましいものでないだろう。


 雨と言う精神的な鬱陶しさに加えて傘などの雨具が万が一の戦闘において邪魔になる可能性もある。


 彼らは観光ではなく調査で来ているのだ。


「仕方ねえな、3つに分かれるぞ」


 秋雄はそう言って5人を線を引いて分けるようなジェスチャーで決める。


「俺様は1人でいい。12時になったらここに戻れ」


 そう言った秋雄はどこかへ歩いていった。


「私は丸腹とか」


「よろしくお願いしますです」


 信次・満太の陸曹組。


「行こう」


「え、ちょっと!」


 そして陽里・香織の陸士組だ。


 陽里も秋雄と同じく決まったら決まったで行動が早い。


「オイ達も行きましょうです」


 暑さに慣れたからなのか汗として出る水分が枯渇したからなのか、満太は先程の量より少ない汗を垂らしながら言う。


「そうだな」


 それぞれが別々の方向に向かっていったのだった。

前半部説明内容まとめ

『第参都市は地上も地下も複雑な町並み』

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