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神の居ない世界にて  作者: アウラ
1.He interacts with her
12/249

11.

後半が説明だけですので後書きにてまとめを載せますし後半は飛ばしてくださっても構いません。

 半ば連行と言う形で連れ戻されたA師団基地。


「一体どう言う事か説明してもらおうか、あん?」


 机を叩いてエリザベスは陽里に怒鳴りつける。


「自分1人で倒せると思ったためであります」


「貴様は人の言う事が聞けないのかと言っているんだ!!」


 再度机を叩く。

 周りの者達は叩く度に驚いてはあの机が壊れるのではないかと口に出さずに思っている。


「ヘリの音で聞こえませんでした」


「何を巫山戯た事を。ばっちし返事をしていただろうが」


 適当な言い訳過ぎたために陽里は目を逸らす。


「はぁ……もういい。被害はアスファルトが抉れたのとビルが一部破壊されていたくらいだからな。下手に戦闘が大きくなって被害が大きくならなかった分良かった点もある」


 エリザベスは溜め息を付きつつも陽里の単独行動で良かった点を挙げる。


 尚、エリザベスが挙げたものはいずれも陽里が壊したものである。


「今回については不問とする。だが覚えとけ、次に命令違反した場合はただじゃ済まさない」


「ありがとうございます」


「もういい、下がれ」


「イエスマム」


 陽里が退室するとそこには新がいた。


「よう相棒、どうだったん?」


「相棒になったつもりはないんだけど?」


「まぁそう言うなって。で、どうだったん?」


「別に何もなかったよ。不問」


「そっか、そりゃよかった」


 そう言って新は破顔する。


「なんでそんなに喜んでるの?」


「なんでって所属早々いなくなっちまったらオレっちを起こす奴がいないからな」


 そう笑いながら話す。


「そう言うのは目覚ましい時計に頼め」


 陽里は軽く脛に蹴りを入れてやった。






 魔獣(ホレット)と言う怪物がこの時代にはいる。

 魔性犬(デヴィドッグ)などがそうであり、銃弾をも弾く脅威の耐久力を持った超生物である。


 一体いつ頃に開発されたかわからないが、少なくともこの世に元からいた生物ではない事は確かであり、それはつまり創られた事を意味する。


 連合国が開発したものではなく、敵国――ヴェスティール神和国が開発したものである。


 彼らはこの魔獣を生体兵器としてこの戦争――神連戦争(テオスマキア)に投入している。


 連合国側はこの生体兵器解明のために大量のサンプルを集めたが仮説が立つばかりで一向に証拠となるものを見つけられず解明が進まないでいる。


 その原因は魔獣は実際の生物に酷似している点である。

 他にも、生きている時は頑丈であった皮膚が死体になると並の生物と変わらなくなっているなどがある。

 さらにその後しばらくすると溶けて跡形もなく消えてしまう。


 生きたまま捕らえようとしても、魔獣は恐ろしい事に自爆する能力がある。


 自爆する前に捕らえようと薬を使うも効果を出さない。


 力づくで意識を奪おうとしても死ぬまで意識を保つと言うやはり生物とは一線を画する何かがある。


 結果として倒す――討滅するしか手段はなく、神連戦争当初は討滅すら厳しさを極めた。


 連合歴3年の事である。


 旧西アジア付近で初めての魔獣が確認されたのだ。


 後に魔性鼠(デヴィラット)と呼ばれるネズミの魔獣は人間の目には追えない速さで移動し、鉄をも噛み砕く歯とガラスすら切り裂く鋭い爪、そして頑丈過ぎる皮膚を持って連合国軍を圧倒したのだ。


 唯一幸いだったのは数の少なさだった。ネズミ特有の繁殖力が発揮されていた場合、連合国は開戦3年目にして敗戦した事だろう。


 だが魔性鼠を退けるだけの戦力が連合国にはまだなかった。


 当時インドや中国などユーラシア大陸の一部が連合国側にあったのだがこの魔性鼠によって神和国に攻め落とされる結果となった。


 そして神和国は旧東ロシアと旧インドネシアを次なる戦地とした。


 未だに質量エネルギーをただ1つを除いて兵器に転用出来ていなかった連合国側としては魔性鼠に対向する十分な兵器を持っていなかった。


 その唯一の兵器――約300年前に発明されて以後進化を続けた兵器――核爆弾である。


 連合国側はこれを旧インドネシアに落としたのだ。


 極一部の質量がエネルギーに変わる事は発明当初からわかっていた事であり、当時の核爆弾はそれを数段回高めたものであった。

 だが未だに放射線を撒き散らすものに変わらず、結果として島の形は失われ、死の海域になってしまったのだ。


 これにより戦線はユーラシア大陸北部に集中する。


 それから数年後、阿羅機(アルハード)の元となる質量エネルギーを使った兵器が完成し、さらに阿羅機が完成する。


 こうして神連戦争は激化する事となる。


 その間も魔獣の種類は増えていく事となった。

 ネズミの他にイヌやネコ、昆虫などといったものからモチーフすらこの世に存在しない幻獣まで。


 種類が増える事によって阿羅機士(アルハーダー)達はそれぞれの魔獣の特徴や弱点を知る量が増えるどころか、未だ発見された事のない未知なる魔獣に対しても戦える事が求められるようになる。

 魔獣の多様化は阿羅機士が少なくなる原因に拍車を掛けてもいるのである。

補足です。

漢字読みですが魔性(ましょう)と普通は読みますが『魔獣的な』と言う意味を込めて『魔性(ませい)』としています。


まとめ

・ヴェスティール神和国は魔獣を敵地に放つ戦略をとっている

・魔獣に対抗できるのは一部を除いて阿羅機しかない

・魔獣は多種多様

・そのため対応が難しく阿羅機士への負担が大きい


2018/02/18 設定微変更(これによる大きな変更はありません……たぶん)

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