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無自覚な初恋とこじらせ初恋  作者: 阿衣真衣


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2.高校入学式~運命のクラス発表~

―麻琴Side


自分が何組なのか、友だちと一緒か、クラスには誰がいるかなど、みんないろんな思いで貼り出されたクラス表を見ている。


麻琴(まこと)~クラス離れちゃったね そして、柊斗(しゅうと)くんは私と同じクラスだから高校でも記録更新したね~ ここまで来ると逆に運命感じない?」

小学生の時から親友の“ゆづ”こと、菊名結月(きくなゆづき)がクラス表を見て笑いながら話す。

「あはは~ ホントそうかも。」


私と柊斗は同じクラスになったことがない。その事に気がついたのは小学5年生の時。

結月に「そういえば麻琴って柊斗くんと同じクラスになったことあるの?」と聞かれ

「そういえば、同じクラスなったことないな」となってからクラス替えのたびにさっきのような会話をしている。


(まあ、あっちは同じクラスになったことがないなんて知らないだろうけど…)

「ホント不思議~ まあ、チャンスはあと2回あるから!」

「チャンスって(笑) それより、入学式前一年生は武道場に集合だったよね」

新しい校舎、新しい制服、新しい同級生…

結月と話しながら、どんな高校生活になるか期待と不安で少し緊張していた。


―「新入生の集合場所はこちらです」「保護者の皆さんはこちらからお願いします」

新入生と保護者で賑わっている中、


「麻琴~ 結月ちゃん!」前の方から聞き慣れた声で名前を呼ばれ向くと、兄の颯汰(そうた)と柊斗の兄、(みなと)が手を振っていた。

「「颯汰さん(お兄ちゃん) 湊さん」」

結月と手を振りながら二人の元へ向かう。


「入学おめでとう 二人とも制服似合ってるね~」

「「ありがとうございます」」

(お世辞でも、似合ってると言われると嬉しい)

「どうしてここにいるんですか?」

結月が聞くと、

「俺たち案内係やってんだよ。 教えてなかったからびっくりしたろ? それで、二人は何組だった?」

颯汰がドヤ顔で答えながら、ワクワクしたように何組だったか聞いてくる。


「3組だった。結月は4組で離れちゃった」

「それは残念だったな。 でも、喜べ兄ちゃんたちも3組だから体育祭で同じチームだ!」

ニコニコして話す颯汰の隣から、湊が話しかけてきた。

「ねぇ麻琴ちゃん、柊斗が何組だったか知ってる?」

「結月と同じ4組ですよ」

そう言うと湊は少し残念そうに、「そっか~ ありがと」とため息交じりに言う。


「お前の弟、ホント運ないな」「ホント…」

小声で二人が何か話していると、結月が「あれ、柊斗くんと朝陽(あさひ)くんじゃない?」と人混みを指さした。


―柊斗Side


「お前もうクラス見た?」

「見た。4組」

「んで、どうだった?」

ソワソワして聞いてくるのは、幼い頃からの付き合いの矢野朝陽(やのあさひ)


「……違った」

「またかよ! どんだけ運がないんだか…」

「…うるさい」

俺の気持ちを知りながら、揶揄ってくる朝陽を軽く睨む。

「んな怖い顔するなよ~ さっきからチラチラ見られてるぞ。 これは、高校でも忙しくなりそうですね~」

「…」

肩に手を置き、ニヤついた顔で話す朝陽の手を無言で払う。


「じゃ、俺も見てこようかな」

「お前は3組だ」

「? 俺がどのクラスか見てくれたの? まあでも、自分でも見てくるわ!誰がいるか知りたいし」

ヒラヒラと手を振りクラス表を見に行く背中を見ながら

「羨ましい…」ポツリと誰にも聞こえないような声で呟く。

(高校でも一緒のクラスになれないって、なんかの呪いか!? あいつは同じクラスになれるのに… チャンスはあと2回…)


一方、クラス表を見に行った朝陽は、

(なるほど… そういうことか~ それで怖い顔してたのね…)

自分と同じクラス表に親友が想っている名前があって、なぜ睨まれたのかその理由に納得した…


「でさ~って話聞いてないだろ」

朝陽が何か話していたが、全く聞いていなかった。

すると前の方から「「柊斗、朝陽!」」と自分を呼ぶ声が聞こえ、面倒くさいことになりそうで聞こえないフリをしようと思ったが、

「あれ、先輩たちと…麻琴と結月もいるじゃん!」

と手を振りその声に返事をした朝陽が言った瞬間、その名前に心臓が跳ね、反射的に目を向けた。


新しい制服姿、中学まで束ねていた髪も今日は下ろされ、少し大人びて見え思わず足が止まった…

「おい!何止まってんだよ 行くぞ」


背中を押され我に返り歩き出すが、近づくにつれて心臓の音が大きくなる…

「湊先輩、颯汰先輩こんにちは。 麻琴と結月も高校でもよろしく」

「「よろしく」」

(よく普通に話せるな!)

心臓を落ち着けるのに必死な自分の横で普通に話せている朝陽にそんなことを思っていると


「柊斗もよろしくね」顔を見上げながら言う麻琴に、キュンと心臓が締め付けられる。

「……うん(不意打ちの見上げる顔は心臓止まるぞ! 危なかった…よく耐えた!)」

表情を保つために、ギュッと堅く拳を握る。


話しかけられて嬉しいけど、照れているのを隠すように表情管理を頑張っている柊斗を見て、

……

朝陽(あれ絶対ヤバかっただろ。よく耐えたな~)颯汰(耐えてるな)湊(照れてるな~)結月(柊斗くん力入ってるな~)

それぞれ柊斗へ生温かい視線を送る。

(―なんか嫌な視線を感じる…)


久しぶりに麻琴が声をかけてれてた喜びを噛みしめていたとき、颯汰が胸を締め付けるワードを切り出す。

「入学おめでと! それで、お前らは何組だった?」

「ありがとうございます。俺は3組で柊斗は4組です」

「3組って麻琴と一緒か」

(うっ…)少し癒やされていた心にまたダメージを受ける。


颯汰の言葉を聞いて、朝陽が麻琴に手を小さく振りながら

「です。ってことで、一年間よろしく」「こちらこそ」

朝陽に小さくペコッと頭を下げる麻琴。


朝陽と麻琴が会話しているのを見て、兄の湊がニヤニヤしながら話しかけてくる。

「柊斗~残念だったな クラス離れて~」

いろんな意味でダメージを受ける…(これ以上ここにいたら、ずっと揶揄われるな)

そう思い会場に向かおうとすると…


「私も…」と麻琴が呟いた。

!!!!! 思わぬ発言に俺だけでなく、四人も驚いている。

(え…それって…)とドキドキしていると


「私も結月とクラス離れちゃったし」

湊の言ったことが、朝陽とクラスが離れて残念という意味だと思ったらしい。


「「「「「はぁー…」」」」」

一瞬ドキッとした皆の空気が抜けた。

「だよな…(わかってたけど)」(小声)


「?」

五人がため息をついた理由が分からず首を傾げる麻琴。



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