No.13 迫り来る脅威
洞窟の中は暗く、冷たい空気が流れていた。
奥から水の滴る音が響いている。
ダージリンとブラックは並んで歩いていた。
しばらくして、視界が開ける。
二人の前に現れたのは、大きな湖で、洞窟の奥に広がる静かな湖だった。
天井の隙間から光が差し込み、水面がわずかに揺れている。
その湖の浅瀬に、白い花が咲いていた。
淡く光る、一輪の花。
ダージリンが静かに言う。
「……あれだ」
ブラックも目を細めた。
「間違いねぇな」
だがその瞬間、湖の水面が揺れた。
大きな音を立て、巨大な影が水の中で動き、ブラックが舌打ちする。
「守り番ってわけか」
次の瞬間、水を割って巨大な魔物が現れた。
岩のような体で、赤い目が闇の中で光る。
魔物が咆哮し、洞窟が震える。
ブラックは手を前に出すと、足元の影が広がる。
影が鎖のように伸び、魔物の脚に絡みついた。
魔物が暴れるが、その隙にダージリンが剣を抜いた。
剣の刃に炎が灯り、剣が燃え上がる。
ダージリンは飛び上がり、炎の斬撃が魔物を斬る。
魔物が唸ると、ブラックが叫んだ。
「花を取れ!」
ダージリンは頷き、湖へ走る。
水を蹴りながら進み、冷たい水が膝まで上がる。
そして、白い花に手を伸ばした。
花は淡く光っており、ダージリンは静かに呟く。
「……これで、華を救える」
ブラックが影を解くと、魔物が再び暴れ出した。
「逃げるぞ!」
二人が洞窟を駆け出すと、背後で魔物が咆哮する。
だが振り返らない。
外へ飛び出すと、まだ大雨が降っていた。
ダージリンは手の中の花を見る。
小さく、白い花。
それは確かに、華の命を救う希望だった。
「待っていてくれ、華」
教会組織は静かな教会で、膝をついていた。
その前に立つ男ーーディアナは静かに言う。
「……つまり、女神様を取り逃がした、と?」
教団員が震える。
「も、申し訳ありません!」
ディアナは机を叩いた。
「言い訳はいりません」
怒りが教会に響き、しばらく沈黙が走る。
だが突然、ディアナは笑い出し、
「……ふふ、なら」
指を鳴らす。
「こちらから女神をおびき出しましょうか」
教団員たちが顔を上げると、ディアナは微笑んだ。
「そうだ、街。街は……私の理想郷には要らない」
教団員たちがざわついているが、ディアナは狂った笑みを浮かべた。
「街を燃やしてください。そうすれば、女神様も姿を現すはずですね」
ディアナは両手を広げた。
「優しい女神様ですから、人々が苦しめば必ず助けに来る。……その時こそ女神様をこの手に」
教会に狂気の笑い声が響いた。




