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第5話 抜けるような青い空
屋敷の玄関を抜け、門をくぐる。
振り返らなかった。
一歩、二歩――門の外に出た瞬間、
エレノアの足は、自然と弾んでいた。
「……ふふっ」
こらえきれず、笑いが漏れる。
貴族令嬢らしからぬ、子どものような足取りで、
エレノアは石畳の道を跳ねるように歩いた。
鞄の中で、母の形見が小さく揺れる。
「やった……やったわ……!」
空を見上げると、抜けるような青。
もう、あの屋敷に戻る必要はない。
もう、誰かの許しを待つ必要もない。
「自由よ……!」
声に出して、もう一度。
「自由!」
エレノアは、生まれて初めて――
誰の目も気にせず、笑いながら歩いた。




