人間だからこそ
池袋駅付近で、ソラはマイペースに歩き、それに合わせて隣を一希は歩いていた。
「おいさっきの誰だよ。お前天使様なのに知り合いいたのかよ。」
「一希はさ、どうやったら人は天使になれると思う?」
「…人って天使になれるもんなのかよ」
「うん、逆に…人間だからこそ、天使になってしまうんだよ。」
「何言ってんだお前」
「ほら帰ろうよ」
「はあ?30分しか滞在してねぇのに?」
「僕の用は済んだからいいかなって。」
「雪大福追加」
「……ちっ」
「帰るか」
そして再び2人は電車に揺られ、約3時間で帰って行った。
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「恵美、離れないで。大丈夫だから」
「そんな事言われても…人混みで羽が引っ張られて……」
すると背後から恵美は腕を引っ張られた。
「すみません、貴方は誰でしょうか。」
そこには眼鏡の男がいた。
「えっ…?」
「恵美?どうかし……あの、離してください。僕達急いでるんです。」
「その羽について、教えてあげます。」
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「いい加減答えてください!アンタについてとこの羽について…それと、何が目的か…!」
とある廃ビルの地下、大きな部屋にテーブルと椅子が並べられ三人は座っていた。
「そう警戒せずにリラックスしてください。私は、平角大我です。その羽には色々お世話になったことがありましてね。善意で助けたいと思っているんです。」
「自ら善意と言う人は大体信じられません…」
「……えっと、私道川恵美って言います…」
「ちょ…恵美そんな簡単に名乗っちゃ…」
「こっちはルオ…野口流桜です!」
「恵美!?」
「ふふ、仲がいいんですね。ところで2人は、最近死のうとしましたか?」
今は夏のはずなのにも関わらず、少し冷え切った空気が漂っていた。
「…アンタに何か関係ありますか?」
「はい、とても重要ですよ。道川さんにね」
「え、私?」
「…勿体ぶらないでさっさと教えてください。恵美は、どうしてこうなったのか。」
「道川さんは、時期に回収されるでしょう」
「……は?回収ってなんだよ…」
「道川さんは、天使になり変わりました。もう人間ではない、そういう事です。」
「いや…意味わかんない…回収って…天使ってなんなんだ」
「人間が天使になる条件、1つは自ら望んで命を落とすこと。そしてもう1つ…それは_____。」
ルオは勢いよく立ち上がり椅子を倒した。そして絶望した表情で恵美を見つめた。恵美はただ、汗をかいていた。
「……恵美?」
「…あぁ…知られちゃったなぁ……言わないって、決めてたのに」
恵美はただ、笑うことしかできなかった。けれどその笑顔は、目の奥は笑っていなかった。




