22話 女神の神木
俺の住む拠点から女神の神木までは、歩いて約15分ほどで到着する。
神木のある場所には、様々なダンジョンモンスターがいる、しかし不思議とその空間では皆争い事などはせずに、のびのびと平和に暮らしている。
ぼちぼち新しい拠点作りを始めようかと悩んでいたが、あそこなら色々ちょうどいいかもしれないな。
今の拠点もいいのだが、ユイカさんやケルベロスと住むとなると結構手狭になってしまう。
一応、大きい子屋を作るためのアイテムなら持ってきてはいるが、いかんせん腰が上がらない。
何か良いきっかけがあるといいのだけれど。
「お、お師匠!」
「ん?どうしましたかユイカさん」
「あ、あれを見てください!槍豚ですよ」
「おお本当だ」
女神の神木のある場所に向かう途中、槍豚の家族を見つけた。
母豚を先頭に子豚達3匹が並んでついて歩いていた。
「可愛いですね、お師匠」
「ええ、本当に」
「私もいつか3人ほど欲しいのですよね、子供」
そう言ってユイカさんは俺の方を見てきた。
ユイカさんの子供か、それはさぞかし可愛らしいのだろうな。
叶う事なら抱っこしてあげたいな。
「いいですね3人、俺も3人は欲しいですね」
「ほ、本当ですか!同じですね」
ユイカさんはそう話すと、少し恥ずかしそうに下を向いた。
まずいな今の俺の意見絶対に入らなかったよな。
若いユイカさんがおっさんの意見とか求めるわけやいもんな、反省しないと。
そうこうしていると、女神の神木のあるところに着いた。
「わぁ、すごい、すっごい綺麗」
ユイカさんはその場所に着くなり、目を輝かせて辺りを見回していた。
「ええそうでしょ、ここ俺のお気に入りの場所なんです」
青々とした芝生に生気あふれる木々、そしてそれを照らす女神の神木。
小さな小川も流れており、まさに生物の理想郷のような場所である。
「さてユイカさん、あの太陽のように輝いている女神の神木の葉の下に干物を置いて乾燥させましょうか」
「はい!お師匠」
ユイカさんは目を輝かせたまま、元気よくそう返事をした。
うんうん、ユイカさんとこの場所はよく似合ってるな。




