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森の守り神シュウ

「シュウなら大丈夫だよ! トトとカカとは仲良しだから」


 ドンが明るく言いましたが、ルゥは悲しそうに首を横に振りました。


「シュウは、そんな理由で中に入れてはくれない。

 生ぬるい考えでは、あの泉は守れないんだ」


 その言葉に、あたりがしんと静まり返りました。


 その時です。


 森の奥から——

金色に光り輝く、大きなオオカミが姿を現したのです。


「やはり来たか……シュウ」


 ルゥが小さくつぶやくと、シュウは森の入り口をふさぐように立ちはだかり、


「——星を取りに来たのか?」


 低く、森を震わせるような声で問いかけてきました。


 すると、どこからともなく、あらいぐまのスゥが草むらから顔を出しました。


「森の決まりを知らないの?」


 続けて、野ねずみのチャウもひょこんと顔を出し、


「星は取ってはいけないんだよ」


 と小さな声で言いました。


 気がつけばいつの間にか、森に住む動物たちが草むらや木々から顔を出し、口々に言います。


「森の決まりを守れないなら、ルゥでも通すわけにはいかないよ」


 その声に応えるように、森の木々は風もないのにざわざわと揺れ始めました。


 チィは勇気を出して、シュウに問いかけました。


「どうして、星の住む泉に行ってはいけないの?」


 シュウは静かに答えます。


「よそ者が勝手に来て、森を荒らし……そして勝手に帰っていくからだ」


 その答えに、カラスの三兄弟が次々に反論しました。


「二人はそんなことしないよ!」


「しない、しない!」


「ニィの大きなリュックに、出たゴミは全部しまっている!」


「空からずっと見てたもん!」


「ニィは野の花さえ持ち帰ろうとしなかった!」


「森のルール、ちゃんとチィに教えてたよ!」


 カァカァと口うるさく言い合う三兄弟を、シュウはうるさそうに睨みつけました。

三兄弟はその迫力に怯えて、


「ぼ、ぼくたち……トトとカカに、二人が無事だって伝えてくる!」


 と言い残し、慌てて飛び去ってしまいました。


 それでも、ニィの胸はじんわり温かくなりました。


(自分のやってきたことを……見てくれているんだ)


 三兄弟の姿が見えなくなるまで見送ると、ニィは深く息を吸ってから言いました。


「まず、そちらの森のルールを教えてください。

 チィには、ボクが言って聞かせます」


 真っ直ぐな瞳でシュウを見つめるニィに、シュウは低く問い返します。


「……ルールを教えたら、絶対に守るという保証はあるのか?」


 ニィは迷わず答えました。


「ボクはトトとカカの息子で、チィのお兄ちゃんです。

 それだけじゃ……信用できませんか?」


 にごりのない真剣な眼差しに、シュウはふっと小さく微笑みました。


「まったく……親子して、本当に似ているな」


 そうぽつりと言うと、ゆっくりと頷きました。


「いいだろう。森のルールを伝えてやる。

 だが——その反応を見て、守れないと判断した場合は、悪いがこの先には通せない」


 シュウの言葉に、森全体がまたざわりと揺れました。


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