ヴィジョンカートリッジ
「おいしいでしょ、ここのパンケーキ。」
そういった後、リゼちゃんがパンケーキを頬張る。
「うん、このベリーソースと生クリームのハーモニーがなんとも。」
甘酸っぱいソースが生クリームの甘さとマッチして美味しい。
「もごもご。ところでさカエデ。会った時からずっと思ってたんだけどさ。」
「なあに?」
「なんで服むき出し?ヴィジョンカートリッジささないの?」
「ん?」
「・・・あ~。なんとなくわかった。イルミン説明してないな。」
そういった後リゼちゃんがため息をついた。
いっくん!なんかミスってるっぽいよ。
「といいますと?」
「服の側面に小さなソケットあるでしょ?」
「え~と・・・、あるあるここに。」
自分の服の右側面に小さな穴がある。
「そこにヴィジョンカートリッジってのを指すと服の見た目が変わるの。ちょっと待ってね。」
リゼちゃんがバッグをゴソゴソと探している。
「こういうやつ。一回カエデの服にセットみて。」
リゼちゃんに手渡されたカートリッジを先ほどの穴にさしてみた。
ポーン。
効果音と共にあたしの服がロングTシャツとジーパンにかわる。
「えええええええええええええええええええええええええ!」
「なんとも趣のあるリアクションご馳走様。あとパンケーキも。」
「すごい!このカートリッジってのさえ持ってれば好きな服に着替えられるのね?」
「まあ大体合ってるかな。実際はカートリッジに内蔵されている見た目に見えてるだけで、
服そのものはカエデがさっきまで着てたものなんだけどね。」
「すごいよ!これはすごい!」
この世界に来て一番驚いたかもしれない。
「全く。イルミン、顔はいいのにこういうところに疎いのよねぇ。」
やれやれといった顔で両手をあげるリゼちゃん。
そのリアクション、アメリカのホームドラマでしか見たことなかったからちょっと新鮮。
「ねえ、リゼちゃん。このカートリッジってあたしでも買えるの?」
「普通にその辺のお店で売ってるよ。まだ時間あるし見に行く?」
「行く!」




