風邪
「いっくん、これ買ってきたから飲んで。あとこれスポーツドリンク。」
「ありがと。ゲホッ。気使わせたね。」
「何言ってんの、ごめんね気づかなくて。今日はベッドで寝てね。」
「やだ。女の子をソファで寝かせるわけにはいかない。」
いっくんがソファの上で、頑なにベッドに移動して寝ることを拒否する。
紳士的なのはいいことだけど、こんな時は別だよいっくん。
「じゃあ、今日はあたしもソファで一緒に寝ようかな、裸で。お姉さんが温めてあげる!」
「・・・ベッドで寝る、おやすみ。」
いっくんがのそりと起き上がり、ベッドに移動する。
全く素直じゃないんだから。
・・・
たぶんこれが朝、いっくんが言っていたホームクリエイターってやつかな。
お風呂場のそばにある電子レンジのようなもののモニターに触れてみる。
ピッ。
表示される項目一覧。
色々あるなぁ、おいしそう。
・・・さすがにステーキを今のいっくんに食べさせるわけにはいかないわよね。
ん~。病人食、病人食・・・あ、あったお粥。
お粥の画像にタッチしてみた。
「調理を開始します。」
電子レンジのようなものが中で何かをやっているようで、ガタガタと音を立て始めた。
画面には残り20分と表示されている。
たぶんこれで大丈夫よね。今のうちにシャワー借りちゃおうかな。
・・・
シャワーを浴びながら今後のことを考える。
このままここにいると、いっくんにすごい迷惑かけちゃう。
そもそもあたしがここに来なかったら、いっくんだって風邪ひいてなかったわけだし。
この世界であたしが知ってる人っていっくんとラムさんだけだから、正直ここを出ていくのは不安だけど、かといってこのままここにいたらだめだよね。
明日、新しい家を探そう。
元の世界に帰れるかも怪しいみたいだし、幸いあたしには貯め続けたVポイントがある。
頑張れプリンセスあたし!




