薬局
「話終わった?」
「うん、ごめん。おまたせ。」
「じゃあ家戻ろっか。カエデが次の家見つけるまでは、うちにいてくれていいから。」
「ありがとう。何かお礼したいよ。して欲しいことない?」
「ううん。いいよそんなの。しいて言うなら、カエデの住んでた世界のこともっと知りたいかな。」
いっくんがウウンッと咳払いをする。
それを見てあたしは気づいてしまった・・・。
昨日、いっくんはあたしにベッドを譲ってソファで寝てくれてたけど、もしかしてそのせいで風邪をひいてしまったしまったのでは?やばいやばい。罪悪感がすごい。でもいっくん、そんなこと一言も言わないんだもの。ほんと、やさしいんだね。
「ちょっとぐらいなら、お姉さんのこと触ってもいいのよ?」
ふざけて言うと、いっくんがあたしの頬の辺りに手を伸ばしてくる。
キャー!自分で言っておいてなんだけど、いざとなると焦るー!
「俺の家の鍵、カエデのトランスレーターにインストールしたから。
家の場所はたぶんわかるよね?ごめん、ちょっと疲れたから先帰るね。
カエデはこの辺り見て回ったらいいかもよ。」
「大丈夫?」
「大丈夫。んじゃ、家で待ってるから。」
そういうといっくんがあたしに背を向けて歩き出す。
・・・
あった。使い方は・・・日本のと一緒だ。
こういうのは変わんないんだなぁ。
あとは風邪薬とスポーツドリンクも入れたし、よし。
・・・あれ?そういえばここ、店員さんがいない!自動レジかしら?
ここに籠のマークがあるから、ここに置くのかな?
「管理カードをかざすか、お金を入れてください。」
無機質な声が聞こえてくる。
Vポイントカードをこの点滅してるとこにかざせばいいのかしら。
ピッ。
シャシャシャッ。
籠の底が開き、商品が下に落ち、あたしの目の前から消える。
直後ビニールのような袋が、あたしの目の前の台座が開き、突き出される。
「ご利用ありがとうございました。」
音声の後、レシートが出てくる。
すげー!でも店員さんと話できないのはちょっと寂しいかな。
・・・いっくんの家に帰ろう。
Vポイントカード残高:29559.881ポイント




