ランクその1
「落ち着かれましたか?」
「うん。今なら目の前で風船が破裂しても、平静を保っていられるくらいは落ち着いてるよ。」
パンッ。後ろで破裂音が鳴る。
「ヒャッ!」
振り返るとニヤっとした顔で、両手を合わせたいっくんがこっちを見ている。手を叩いて音を出したようだ。
「うそつき。」
「いっくんの意地悪。お姉さん泣いちゃうぞ?」
いっくん意外とお茶目なところあるんだ。ずっとクール貫いてたからね。
今ので逆に、お姉さん安心しちゃった。
「その様子だと大丈夫そうですね。では管理カードのランクについてもお話させていただきますね。
カードにはランクと呼ばれるグレードのようなものがあります。このランクが高くなるにつれて出来ることが多くなっていきます。」
「ふむふむ。」
「ランクはノーマル、ブロンズ、シルバー、ゴールドの4種類です。」
「ほうほう。」
「まずノーマル。これはカードが白色で、先に私が説明しました、
銀行や交通機関の利用等、最低限生活に必要な機能を利用できるグレードです。
正直なところ、ランクはノーマルで十分で、全く不便を感じることはないと思います。
Bクラスと言ったりもします。」
「そうなんだ。」
「はい。このノーマルランクの管理カードは主に、カエデさんのような異世界から流れてきたドリフター、もしくはカムニアのブロンズ、シルバー、ゴールド管理カード所持者以外を対象に支給されます。
「じゃああたしもVポイントカードがなければ、それを発行してもらうことになってたんだね。」
「そういうことになりますね。」
「次にブロンズ。私の管理カードもブロンズです。ブロンズは生粋のカムニア人、かつ定職についている人達に支給されます。こちらは通称Aクラスと言ったりします。」
「俺もブロンズだよ。本当はあんまり自分のランクって言わない方がいいんだけどね。」
「そうなの?」
「ランクの違いで差別するやつとかもいるんだ。だからあんまり見せびらかしたりはしないほうがいいかな。」
「わかった。気を付けるね。」
あたしの世界でも、もしこの管理カードっていうのがあったとしたら、あたしもブロンズになるっぽいなぁ。
「ブロンズは2等区画までの地域になら自由に出入りすることができます。あ、言い忘れましたが、ノーマルは3等区画までしか出入りできません。」
「入れない地域があるんだね。」
「そういうことです。と言っても先ほども言った通り、3等区画さえ出入りできれば生活に支障はありません。
商業施設や娯楽施設、宿泊施設その他もろもろは基本的に3等区画に揃っていますので。
ブロンズ以上の人もそれらを使用する場合には3等区画に行って利用します。」
「じゃあ2等区画って何があるの?」
「2等区画はブロンズ管理カード所持者の居住区、あとは一般情報庫があります。」
「情報庫ってなんなの?質問ばっかりごめんね。」
「いえいえ。この世界に来たばかりですから当たり前ですよ。情報庫というのは、この世界についての知識や歴史などが蓄積されている場所です。何かを調べたければここを利用するといいですね。ですが本来であれば、ドリフターの方は利用できない場所です。カエデさんは運がよかったですね。」
「そうなんだね。なんとなくわかったかも。」
たぶん情報庫はあたしの世界でいう図書館みたいなものかな。
「そういえば・・・、お茶もお出しせずに申し訳ございません。すぐご用意いたしますね。」




