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【番外編】ロミアスの恋バナ



「この度は誠に申し訳ございませんでした、ユウマ様」


 おい誰だ。ロミアスに昨日の夜這い事件のこと教えたヤツは。絶対気にするだろうから箝口令敷いてたのに。


「いやいや、本当に気にしないでくださいロミアスさん。今回あなたを護衛から外したのは俺とシュルツ様の判断です。責任はすべて俺たちにある」

「それでは私の気が治りません。王位継承までの大切な時期。ユウマ様の優しさに甘え、安易に持ち場を離れるべきではありませんでした」


 責任感強いなぁ。どっちかというと今回悪いのは不審者通した護衛達……まあでも暗かったしリベクもめっちゃシュルツに似てたしなぁ。今回はエクスが一枚上手だったという所だろう。


「じゃあ建国祭まではずっと俺の護衛をお願いするってことで。といっても寝ずの番は元々交代制だし、今回みたいなのは防ぎようも無かったんじゃ」

「ええ。ですので今日からはユウマ様の就寝中も、私が部屋の中にて警護をすることとなりました」

「えっ」


 つまり文字通り四六時中一緒ってこと? え、それはさ、俺はともかくロミアス的には大丈夫なのか。


「もちろん部屋の外には引き続き別の護衛が……」

「あの、ちなみにシュルツ様が俺と一緒にいる時は?」

「その場合はダミアン殿が伴う筈なので。交代制となりますね」

「つまりダミアンさんとロミアスさんのどちらかが、必ず部屋に居ると」

「……ユウマ様」


 あ、ごめん。なんとなく俺の言いたいことの察しがついたんだよな? 


「必要とあらば、部屋の外での警護に切り替えますのでご安心ください」

「す、すみません。お手数をおかけして」

「いえ。ユウマ様こそ、何かと不便をおかけするかと思いますが、建国祭までの辛抱ですので何卒ご容赦頂ければと」


 そっかぁ。そういえばシュルツも警備を見直すと言ってたな。これが妥当な処置にはなるのか。


 それにしても、ただ俺とシュルツは日頃お世話になっているロミアスの恋を応援したかっただけなのに、割と大事になってしまったな……そういえば。


「一つ聞いても良いですか?」

「はい、私に答えられることであれば」

「仕事には関係ないことなんですが、ロミアスさんとフェリペ殿下は今どのような感じなのか、ふと気になりまして。例えば昨晩のこととか」


 ロミアスの顔がわかりやすく固まる。あ、やっぱこういうこと聞くのって良くないかな。異世界にもセクハラとかコンプラの概念があるのかもしれない。


「すみません、やっぱりなんでも」

「……今回のことは、シュルツ殿下とユウマ様直々に時間を作って頂いてのこと。謹んでご報告いたします」


 あ、ごめん本当にそんなつもりじゃ、ほんの出来心でぇ。

 しかしそう止める間もなく、ロミアスは居住いを正した後に言葉を紡ぐ。


「私が第十二番客室に向かった所、そこにはフェリペ殿下がお待ちになっておりました。なので私と殿下は、昨晩はずっとその部屋にて滞在を」

「なるほど、お二人は遠距離で過ごされてますから、色々積もる話もありますものね」

「…………」

「ロミアスさん?」


 待って。何となくどういう会話……いやどういう夜を過ごしたのか想像がついてしまった。これ本当に聞かなかった方が良いやつだな。


「すみませんロミアスさん。話しにくいことであれば、無理はなさらず大丈夫ですから」

「いえそんな。ただ昨晩は六度ほど枕を交わした後、互いに寝入ってしまった為、あまりユウマ様方にとって有益なお話は何も……申し訳ございません」


 申し訳ないはこちらの台詞である。ごめん、そこまでぶっちゃけさせて。まあでも二人の仲が良さそうで良かった。六度かぁ。元気だなぁ。


「あの、ユウマ様」

「なんです?」

「……ぶしつけな質問で大変恐縮なのですが、私からも一つよろしいでしょうか」

「え、ああ、いいですよ」


 最初にぶしつけを働いたのはこちらなので構わないが。この流れでロミアスから? 何だろ。


「……実は今、殿方の前でどのように声を出せば良いか分からず、悩んでいる最中でありまして。いかんせん私はまともな恋愛経験を積んだことがないため、ユウマ様のお知恵をお借りさせて頂きたく」


 おっ、おお? 随分生々しい質問がきたな。いや、頼りにしてくれるのは嬉しいから全然良いんだけど。ロミアスから相談されるなんて初めてのことだし。ええと。


「そこは人の好みによるので……ちなみにフェリペ様は何かおっしゃっていましたか」

「もっと声を出せと。私は勝手がわからなかったものですから、一晩堪えておりましたが」


 字面だけ聞くと体育会系の声かけみたいだな。いや、茶化してる場合じゃないか。本人たちは真剣なんだから。

 

 うーん。ロミアスって別に経験自体はあるし多分見聞きもしてるっぽいんだよな。ある程度わかった上で、それでも上手く出来ないって話になると。


「……普通に、声を抑えるのをやめた方が良いんじゃないでしょうか」

「で、でも。止めたら変な声が出てしまいそうで」


 フェリペ殿下は多分それが聞きたいんだと思うけど。


「……お二人は好き合ってる者同士なのですから、多少ロミアスさんが変だと思うようなことをされても、フェリペ様は受け入れてくださいますよ。それに、我慢することに気を取られていたら折角の楽しい会瀬も楽しみきれなくなると思いませんか?」


 ロミアスは目を丸くした後「なるほど」と小さくその唇から言葉を零した。

 

「会瀬を楽しむですか……確かに、ユウマ様のおっしゃる通りですね。やってみたいと思います」


 おお、良かった。納得してくれたみたいだ。


「上手くいくと良いですね」

「はい……ふふ、ユウマ様はシュルツ殿下と仲睦まじくいらっしゃいますから。貴方様に相談して本当に良かった。改めて、ありがとうございます」


 いやそんな。俺とシュルツの話は良いって、気恥ずかし……あの、他意は無いんだよな? 昨晩シュルツのやきもちに付き合わされて大分騒がしくした気が……いや、気のせいだな。うん。ハハハ。



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