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◆ボツ文たち  作者: ワイヤー・パンサー
『逆ディストピア』
37/57

001冒頭

;セリフを皆無にする?



   ◆プロローグ


|幸一と思われる若者が疾走、落ちる。


 吹き荒ぶ氷原交じりの雪原を、一人の若者が走っていた。ぜぇぜぇと、息も絶え絶えに、何度も転倒し頭を強打しながらも、無我夢中・意識朦朧で逃げていた。

 しかし、その若者がハッと驚愕したと同時に、地面に消えた。このような場所では気を付けた方が良い。所々、地表の裂け目が、底深く開いている。若者は落ちた。




   ◆未来へ


|自然の冷凍保存になった幸一を復元する。


 そのとき20XX年になっていた。

 冷凍状態の幸一は復元された。今は氷原近くの住居に居る。

「お身体は大丈夫でしょうか?」

「ああ、ありがとう」

 助けてくれたのはモアという名の人だった。


 色々と聞いた。今はずっと未来であることを知った。その割に、この室内の内装は、私のいた時代とそう変わりはないようだった。が、それは人それぞれで世界の見え方が変わるのだと教えられた。

 身体がこの世界に慣れたとして、一緒に散歩することもあった。散歩と云っても、世界中を見て回ることが出来るくらいのものだ。その詳しい仕組みは理解できなかった。



   ◆戦争などの悪質な争いの根絶


 戦争は根絶に向かっているらしい。どうやって、と聞いた。が、それを分かるように言語化するのは難しいと云われた。

 徹底的に細部にわたって管理する社会になったためか? と聞くと、違うと云う。誰もが好きに生きて良い、と。それどころかルールらしいルールがなく、昔で云えば、世界全部が無法地帯だと云われる。

 もしかして、戦争を戦争だと認めていないだけじゃないか、と聞くが、世界の全てを把握することができる存在に触れ、確かに争いらしい争いのないことを知る。

 しつこく、なぜだ? と聞くものの、現在の私の知性では理解することができない、とのことだった。また、知性は望めば向上可能だと教えられた。

   *

 かつて犯罪と呼ばれたものも大半はなくなっている。無法地帯なので「犯罪」と云うのも変だが、かつての名残りはある。

 生身の人間、すなわちバージョン1の人間は、幸一のみならず、小数だが世界にまだいるらしい。そのため、そのバージョン1同士の争いが、まだあるという。ちなみにモアはバージョン2の人間だが、外見上の区別はつかない。

 バージョン1同士の争いは、その方たちで収拾つかないほどになると、バージョン2の人間など、他の生物に助けを求めたりして、収拾を付けているらしい。なぜか争いを事前に食い止めることをしない様子。それを尋ねると、無益な争いと、有益な争いがある、とのヒントをくれた。

 そういえば人を見ると不思議な点がある。どんなに怒りに我を忘れているような方でも、殺傷をしないことだった。はるか昔も、どこかそれに近い状況を彷彿する。賢い人のことだから、意図的にその状態を作り出しているのかもしれない。



   ◆学校の消失


 教育機関が無いも同然だった。その訳は、技術も知識も、直接生命に加えることが可能だかららしい。



   ◆資源の奪い合い


 資源の奪い合いが過去のものとなった。水、食料、鉱石類、その他諸々、資源に困ることはなかった。

 どうなっているのか聞くと、地球上のみならず、宇宙のどこまでも広げて、物質を利用可能状態にしていっている、と。それ以上の理解は難しかった。宇宙の物質のほぼ全てをネットワークにしている面もあるらしい。そして、利用する時に、利用する形となる、と。未使用のものはネットワーク上の利用可能状態に戻される、と。

 早い話、万能リサイクルシステム、とでも云うものだろうかと想像した。


   ――ここまで――

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