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【書籍化】無職独身アラフォー女子の異世界奮闘記  作者: 杜間とまと


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66 アジージョとサマルーの見立て

「アジージョも作ってみる?」

 私の提案にアジージョも興味津々食いついた。

 私が3つ作る間に、アジージョもなんとか一つ完成させた。

「こんなに素敵な薔薇が、まさか私にも作れるなんて……」

「ね、簡単でしょ?」

 作った大小4つの薔薇をリボンに縫い付けて、髪飾りを完成させる。

 その他に、小さな薔薇モチーフのカンザシを3つ作る。リボンと簪をバランスを見ながら髪に挿せばオッケー。

「この髪飾りなら、ドレスに合うよね?」

「ええ、すばらしいです!」

 アジージョの作った薔薇もリボンに縫い付ける。

「これは、アジージョが使ってね!」

「いいんですか?」

「もちろんよ!アジージョが作ったんですもの!」

「ありがとうございます!」

 なんてやり取りをしているうちに、すっかり時間が経っちゃった。慌ててアジージョは朝食の片付けを始めた。私もアジージョが席をはずしている間に、メイク、メイク。ウイッグ調えて、ドレスを身に付ける。

 いつものメイクだけど、ドレス姿にはイマイチ、なんだか物足りない。というわけで、少しだけグロスつけて口元を輝かせてみる。

 いいんじゃない?と自画自賛。

「まぁ、リエス様、いつもお美しいですが、今日は一段と華やかです!」

 戻ってきたアジージョが絶賛する。

「ですが、首元が少し寂しいですね?」

 あ、やっぱり?私もそう思ったんだよね。いつものドレス以上に襟元が開いているので、首元が寂しい。

「何か無かったかな?そうだ、アジージョの薔薇を少し借りられる?」

 ちょうど首にチョーカーみたいに巻けばいい感じになるんじゃない?

「だ、だめです!」

 まさかの、アジージョの拒否。何で?

「私の作ったものなど下手くそなので……」

「そんなことないよ。上手にできてたよ?」

「いえ、とても、祝賀会に出せるようなものでは……」

 と、アジージョがかたくなに拒否。

 今からもう一つ作ろうかといえば、そんな時間はありませんといわれた。

「じゃぁ、何か無かったかな?」

 と、クローゼットに足を向ける。

「リエス様、このドレスに合うものはありませんから!」

 アジージョが首を大きく横に振り、私の前に体を滑らせた。

「そうだっけ?」

 私よりクローゼットの中を把握しているアジージョが言うんだから間違いないだろう。

 仕方が無いので、後ろに流してある髪を少し前に持ってきてごまかすことにした。

「リエス、準備は整いましたか?」

 ノックの音とともに声がかけられる。アジージョがドアを開けると、サマルーとシャルトが立っていた。

 部屋に入った2人の正装を見て、思わず息を止める。

 謁見用の正装ではなく、今日は祝賀会(パーティー用)の正装。凛々しくて華やかなのだ。

 特に、流石上流貴族と言うべきか、シャルトの立ち姿がそりゃぁ様になっていて、思わず見とれてしまうほどだ。シャルトは自身の誕生日会の時よりも気合が入ってない?と思えるほど。

「すばらしいドレスですね!とてもお似合いです」

 サマルーの言葉に、アジージョも大きくうなずく。

「少し、首元が寂しいようですね?」

 サマルーの言葉に、アジージョが再びうなずく。

「サマルー様もそうお思いになりますか?首元になにかあるといいのですが、ドレスに合うものがなくて……」

 アジージョとサマルーが顔を見合わせてうなずく。

「困りましたねぇ、せっかくの素敵なドレスなのに、こう首元が寂しくては……」

 サマルーがそんなことを言うなんて珍しい。そんなに残念な感じになってる?

 やっぱり今からでもチョーカーを作ろうかしら?移動の馬車の中でも作れると思うし!

「そうだ、何かあるかもしれませんね。探してきましょう」

 と、サマルー。

「あ、あの、」

 作るよ!作るから大丈夫って言おうとしたら、さっと背を向けてドアに向かった。

「そうですね、何かあるかもしれません、探しましょう」

 アジージョもサマルーの後を追う。

 あっけに取られている、私とシャルト。サマルーが振り返ってシャルトに言った。

「シャルトも探してください。リエスのドレスに合う、ネックレスでもあればいいんですが!」

「ああ、ネックレス、いいですね!」

 サマルーとアジージョの息が合っている。

 え?チョーカーじゃだめ?ネックレス?

 シャルトが、2テンポくらい遅れて反応する。

「そ、そうですね、リエスさんに合うネックレスですね!」

 なぜか、嬉々として出て行った。

「あのーっ」

 引きとめようとして前に出した手が宙をさまよう。

 ……。……。

 作ろう!戻ってくるのを待つ間に、薔薇のモチーフ作ってリボンに取り付けて、チョーカー作ろう。

「あれ?ない、ない、」

 布はある。

 でも鋏も糸も針も、お裁縫セットがない!

「どこに片付けられたんだろう?」

 アジージョォォォ、裁縫セットはどこぉ?

 ……。仕方が無い。鞄の中から、裁縫道具取り出すか?

 和バサミ、糸きりバサミ共にこっちの世界では見ないから見つかるとやばいか?3人がいつ戻ってくるかわからないし。

 迎賓館の侍女に頼んで裁縫道具借りるのが早いか?

 部屋の中をお腹を空かせた熊のように右往左往。


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