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Lv.1の王様  作者: 小鳥遊 雨音
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静かな始まり

まだ冷たい空気が肌を刺す。

日があまり無いとまだこれだけ寒いのかと少し身震いした。

もうすぐ日が出る。


昨日買った食料と水筒と短剣は鞄に入れたし、腕輪は私が装備している。

香炉は道中怖いので持ちながら移動予定だ。

マントに手を伸ばす。

日常の服の上から着ると少し滑稽だった。

少し見えるスニーカーが、場違いな感じを際立たせる。

そう、昨夜私が着てきた服が綺麗になって戻ってきたのだ。

もう、ルンルンだ。

マントは違うが、この服でこそいつもの私。

少しはねている寝癖はご愛嬌だ。


最後に部屋を全て見て、忘れ物が無いか確認した。

「よし、無いね」

誰にともなく声に出した。


もうこの部屋ともサヨナラだ。

いや、この城とも。この国とも。


「……」

レイブンは、昨日結局あれから一度も部屋に来なかった。

まぁ、忙しいのだろう。

最後の挨拶できないのが少し寂しく感じたが、しょうがない。



もう考えるのはやめだ。

さっさと帰ろう。

あの私の日常へ……。

私は静かに部屋のドアを開けてそっと閉めた。

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