■12 錬金術師様
次の日。
サーペンテイン王国第ニ騎士団団長ギルバート・ダルベルトは謁見室にて王に今回の討伐作戦の報告をしに来ていた。
「ほぅ、ウガルルムまで出てきたか」
「はい。今回の目的であったベヒモスは討ち取ることが出来たのですが、予想外なことが起きてしまい……」
「あぁ、報告は受けている。負傷者だけで済んで良かった。して、助力者がいたそうではないか。錬金術師だったか」
「はい、ウガルルムを討ち取り我々の治療までしてくださいました」
「名は?」
「いえ……通りすがりの錬金術師とだけ」
「探し出せ、早急に」
「承りました」
「……待て、最近騎士団にポーションを提供してくれている錬金術師がいたな。名は聞かなかったが」
「はい……」
「一度顔を合わせたい、連れてきてくれ」
「畏まりました」
そうして、彼はその場を後にした。
あの日、あの時、全身を激痛が襲った。
もう駄目だと、諦めかけていた。
だが、何かを飲まされたのを覚えている。
最上級ポーションか?
……いや、違う。
何だったんだ、あの全身に力がみなぎるような感覚は。
あれは、まさか……
〝大地の恵み〟
初めての体験だった。
「なぁ、アル」
「はい、何でしょう団長」
「今回助けて頂いた錬金術師様……」
「え゛っ」
「知ってるな?」
「……」
「まさか、大賢者様、だったのか……?」
「あ゛っいえっ……」
「……何故否定が出来るんだ?」
「あ゛……」
「どうなんだ?」
「……」
「連れていけ、その方の元へ」
「……わかりました……」
この時、騎士アルは思った。
ステファニーさん、ごめんなさい。
……と。
「え? ステファニーちゃん? 朝から出かけたよ?」
「ギルドに?」
「いやぁ? 言ってなかったよ」
「そっか……」
錬金術師様が泊っているらしい宿に行ってはみたが、外出中か。
「ステファニー様、というのか」
聞いたことのある名だ。つい最近、男共に絡まれていた少女がその名だった。
「団長、一つ聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「甘党お兄さん、って……」
「えっ……!?」
「団長の事ですか?」
「……あ、いや……」
「な訳ないですよね、団長が。あはは」
「……いや、まさか、な……」
「どうしました?」
「あ、あぁいや……何でもない。戻ろう」
「はい」
早く、お会いしたいものだな。




