第三幕 沼地に住まうリザードマン
結局時間空きまくり。宿題に追われてました。
人間になって2週間ほど経った。
移動は基本蛇の姿で移動する。旅の進みはあまりにも順調だ。5周ぐらい回ってかえって心配になってしまうぐらいに。
あれからの進捗はこれまでとは比べ物にならない。前は1週間で県を一つまたいだみたいな感じだったが、グルーシャが加わってからは2週間ほどで地方を2つほどまたいだような感覚。感覚だから実際どうか分からないものの実際このぐらい進んでいる。
グルーシャはどうかと言うと、もともと俺たちの敵だったとは思えないほど従順に従って協力してくれている。まあ定期的にガブリエルにいじめられていたりして、寝ながら「やめてくれぇガブリエルぅ。これ以上はわれがしんでしまうぅ」とうなされていた。なんだかかわいそうだったが俺はあくまで無言を貫いていた。面倒だし。
無駄話はさておき、グルーシャはとてつもなく速い。さっきも言ったが俺とグルーシャじゃ速さに天と地の差がある。三輪車を漕ぐか、電車に乗るかぐらいの差だ。
そんなこんなで進んできた。そんな俺たちは現在少し変わった場所にいる。それは沼地。
沼地?と思う人もいるかもだが沼地だ。
ちなみにまだジブリル大森林の中である。
まあ俺もちょっとおかしいなとは思ってたんだよ?でもガブリエル曰く
『一つの大きな森のなかに、海、山、沼地などの様々な気候が入り乱れる。それがジブリル大森林の特徴ですから!』
とちょっと自慢げに言われた。山の中に海とかもはやわけわからんって感じだが触れないでおこう。ここは異世界だ。そんなこともある。
んでわけで沼地。ほかのところよりも蒸し蒸ししていて結構暑く感じる。まあ止まる理由にはならない。なりふり構わず進もう...
としたが、
「グルーシャ。今のって」
「ああ、間違いない。殺気だ。」
やはりそうか。誰かが自分たちを狙っている。急いで人型になって臨戦態勢に入った。
「驚いた。人になる蛇とは」
木々をかき分け奥から出てきたのはトカゲのようなやつだった。ドラゴンっぽくもある。
もしかしてあれって異世界にありがちなリザードマンなんじゃ?
「ガブリエルさん。あいつってもしかして...」
『はい!我が主の想像どおりリザードマンです。』
やっぱりか。いやーかっこいいなあドラゴンっぽいやつは。やっぱ見た目が最高だよなぁ。
「おい!我らの縄張りに侵入するとは言い度胸だな。」
俺はカッコいいと思ってるけど、あいつは戦う気らしい。
ええめんどくさ。と今までなら言ってたかもだけど今だけは違う。こいつを試すときが来たか。そうして剣を引き抜いた。もちろん呪剣だ。剣自体の性能を知らないし、好都合だ。この戦闘で剣のスペックを確認しよう。それに相手は一体だし、正直負ける気はしない。いける。とは思ったが、
「うぎぃーー!」
「グルルルルルル!」
奥から追加で2,3体出てきた。4体を相手はちょっと多いな。戦える仲間なんていないし...
「ヴェルよ。ここは我にも戦わせてくれないか?」
そうじゃないか。グルーシャが仲間になって以降ほとんど戦ってなかったから忘れていたが、グルーシャは戦えるじゃないか。
「よし!グルーシャ、そっちの2体は任せるぞ!」
「承知した!」
グルーシャには猿みたいなやつと犬みたいなやつを任せた。
俺はあのリザードマンとキジみたいなモンスターを相手する。「桃太郎かここは。」と言いたいがそんなことは今はいい。
「行くぞお前ら!」
先に動いたのは相手だった。グルーシャの方は見てる暇はない。まず突っ込んできたのはキジみたいなヤツの方だ。その後にリザードマンが続いてくる。正直使えるか分からないけど、剣を思いっきり振り抜いた。だが結局当たらなかった。相手が速いし、こちらに経験がないのもある。
わかってはいたがそのあともなかなかあたらない。何度かチャンスはあったものの結局当てられなかった。
「フンッ!フンッ!ああクソ!イライラする!」
『スキルで攻撃し、動きをにぶせてから剣を使うのを推奨します。』
イライラしてるとガブリエルからお告げがあった。ガブリエルの一言は神の一言だ。
従えば何か起こるだろう。
「粘糸!」
粘糸であのモンスターをつかまえる。そして、
「炎爆散!」
定番の一撃でモンスターにダメージを。そしたら次は剣で ...と思ったがどうやら倒してしまったらしい。いやーつよいですねぇ炎爆散。
「貴様ぁ!」
ヤバい。リザードマンがブチギレた。とてつもない勢いで迫ってくる相手に対して、反射で剣を構えてしまった。ヤバい、やられる。
でもまだやられるぐらいだったら...俺は運任せで剣を構えた。なんかどこかの漫画で見た気がするやり方。呼吸を整えて、落ち着いて相手の剣筋を見る。落ち着いて、落ち着いて...
次に目を開けると、そこにはリザードマンが血を流して倒れていた。え?何で?俺何もしてないよ?
「おい!大丈夫か!」
グルーシャが近寄って来る。こいつは普通に勝てたらしい。
「とんでもない勢いで斬ったな、なんだお前剣が使えるのか。」
「いや俺は剣なんて振れないし、、てか俺が斬ったの?」
「何を言っている?お前以外に誰がいるのだ?」
どういうことだ。俺は斬ってないし、斬った記憶もない。まさかガブリエルさん?
『いいえ、私ではありません。実際に我が主が斬りました。ですが我が主には記憶がない?不測の事態です。』
ガブリエルすらもわからないし、ガブリエルから見ても俺が斬っていたらしい。どういうことだ?なんでそんなことが?
ま、まあとりあえず勝てたんだし勝ったでいいか。そうだコイツラも暴食しておこう。
『解析が終了しました。スキル魔力操作、
筋力増加、飛行、威圧を獲得しました。』
4体も食べたから流石に今回は多いな。
「さて、次はどうしよう...」
「なんだ?変な音が聞こえたが...」
まずい!誰か来る。きっとリザードマンだろう。
「グルーシャ急いで逃げるぞ!」
「わかった。乗れ!」
俺はすぐに蛇に戻って、その場を後にした。
間一髪逃げ切ることができた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その日の夜俺はグルーシャに相談をした。
「なあ、このまま森抜け出せるかな?」
「うむ...厳しいかもしれんな。」
実は俺たちがリザードマンの一人を倒したせいで、リザードマンが包囲網を敷いている。
新たに手に入れたスキル魔力操作が働いている。魔力操作は魔力をいじるだけでなく、魔力を感じることもできる。一応言っとくと、魔力は漂魔のことだ。この世界の生き物は全て漂魔を持っているから、このスキルがあれば近くに生き物が何人いるかがわかる。
その魔力操作なんだが、リザードマンと戦い終わった瞬間よりビンビンになっている。ヴァイトした瞬間はせいぜい1、2体といったところだったが、今は10,20,30とぞろぞろ出てくる。正直グルーシャのスピードでも抜け出せそうにない。
「どうするのだ?このまま突っ切ってみるか?」
「いや、リザードマンにあってみようと思う。あくまでリザードマンを殺したのが俺たちだということは隠したうえでね。」
「な、なぜだ?」
「だって、おれもお前もこの森からでたことないだろ?ただでさえ情報がない今、少しだけでも森の外の情報が欲しい。」
「なるほど。そういうことか。でも、そこら辺にいるリザードマンに聞いてみるのか?」
「いや、そもそもこんな数がいるんだったら大きめの拠点みたいなところがあるはずだ。
そこにリーダー的な奴がいるかもしれない。まさに前のお前みたいな感じだ。」
「た、確かに. ..」
まあ仮に俺たちが殺したことがバレちゃったら最悪謝ればいいし、殺されそうになったら殺し返せばいいしね☆
「わかった。では明日の朝拠点を探してみよう。」
◆◇◆◇◆◇◆
次の日の早朝、俺たちは行動を開始した
30体ほどのリザードマンが包囲網を敷いているが実は数時間おきに人員を交代させている。
交代になってどこかに歩いて行くやつの後ろを潜伏スキルを使いながら、ついて行った。
1時間ほど歩くと大きな入り口に向かってリザードマンが入っていった。
「いくぞ。グルーシャ。」
俺たちもその入り口に向かっていった。
◆◇◆◇◆◇◆
洞穴の中も中々長くこれまた30分ほど歩いた。
すると門番のような奴が2体ほどいた。
さすがにいきなりボスの前に現れるわけにはいかないよな...
「彼奴等には顔を出しておくか。」
「いいのか?そんなことして。」
「ああ、大丈夫だ。...多分。」
そうと決まれば潜伏スキルを解いてと。
「…!何者だ!」
潜伏スキルを解いた瞬間気づかれた。潜伏スキルは相当優秀なのか。
「すみません。あなたたちのリーダー似合いに来たのですが。…ああ、申し遅れました。私はヴェルです。」
「なんだと?頭首様に会いに来たというのか?蛇の分際で!」
あらそんなこといいなさんなって。蛇だからって下に見られても困るんだよ。
「そこを何とか合わせていただけないでしょうか?」
「無理だと言っている!貴様!早く立ち去らなければ断ち切るぞ!」
はあ、また戦闘になるのか。仕方ないこうなったら...
「よい!その蛇とやらを招き入れろ。」
なんと頭首のほうが問題を解決してくれた。
「しかし、」
「俺に意見するというのか?」
「め、めめ、滅相もございません!ほら!そこのお前!早く頭首様の元へ!ご無礼のないようにな!」
どうやら会えるらしい。良かった。のだろうか?
奥に進むと一瞬で分かった。こいつだけは確実に格が違う。
「俺がリザードマンの頭首であるギースである。蛇よ、俺になんの用だ?」
俺の物語が一歩進展した。と言いたいが大丈夫なのだろうか。そんな不安が頭をよぎり続けていた。
内モモ攣りそう




